【投稿小説】因果律書換アプリの操作ミスでチアJKになった元野球部員のお話(後編)

作 ととやす
挿絵 蜂蜜柑

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放課後。よっしーがトトトッと近づいてきた。
「日咲子、今日はチア部にも寄っていくよね?」
「チ、チア部!?」
「何を変な顔してるのよ。もうすぐ大会だからみんな張り切ってるのよ」
(どうしよう・・・)
チア部と言われて、あたしは部屋にあった見慣れないユニフォームのことを思い出していた。やっぱり、あれはチアリーディングのユニフォームなんだよね。
さらに、アルバムの写真を思い出す。高校入学以降に撮った、どこかで見覚えのある女の子たち。野球部はなくなってて、チアリーディング部に変わっちゃってるんだ。
改めて喪失感。あれだけみんなで野球に取り組んできたのに、あたしひとりの大ポカで試合にすら・・・せめて女子野球部だったらよかったのに、チア部では甲子園は無理筋もいいとこだ。
「分かった、行くよ」
罪悪感もあってあたしはよっしーと部活へ向かった。当のよっしーは自分が男で、鉄壁の内野手だったなんて覚えてもいないんだろうけど!

「う、うぅ・・・」
(は、恥ずかしい・・・)
ロッカーで着替えて、かつて野球部がアップに使っていたグラウンドの一角へ向かって歩いている。・・・フリルの付いたミニスカートに、大胆なヘソ出しユニフォームに身を包んで。
(なんでこのチア部に限ってこんな攻めたデザインなんだよ〜)
しかもノースリーブ! 脇の下が全開!
加えて今のあたしは女の子の中でも可愛い部類かつ胸やお尻も大きいわけで。
(絶対絶対男子にエッチな目で見られちゃうじゃん!?)
元男としては確信がある!これにポンポンを持って人前で笑顔で踊るなんて、女の子初心者のあたしにはハードル高すぎるって!

なんて不安に苛まれていると。
「集合〜」
キャプテン(推定)の号令がかかり、集合になった。かつてはむさ苦しい野郎どもばかりいた一角には、可愛らしいユニフォームを着た少女たちが整列していた。正面にはジャージ姿の見るからに体育の先生っぽい美人の先生。
「よろしくお願いしま〜す!」
「「よろしくお願いしま〜す!」」
キャプテンに続いて全員が挨拶をする。当然、いつもの野太い声じゃなくて、柔らかな高音だ。・・・
(って! この美人さんってひょっとして監督さん!?)
あの厳しいゴリゴリのおっさんが、こんな色気溢れる美女になるなんて!
いや、監督さんだけじゃない。事ここに至ってもまだ周りにいる女の子たちがかつての仲間たちだとは、先輩・同期・後輩たちだとは信じられなかった。いや、信じたくなかった。
ショックを受けている間に訓示が終わり、練習が始まった。
「じゃあ本番も近いし、一度通しでやってみましょう! 今日は日咲子!」
「は、はい!」
監督さんから急に呼ばれてびっくりした。
「まずあなたがチェック担当ね。いつものように、初めは外からじっくりみんなの動きを見てバシバシ指摘なさいね!」
戸惑うあたしを置いてけぼりに、チアリーダーたちは開始前の配置につくと、準備されていたスピーカーから華やいだ音楽を流し始めた。

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男子だけの暑苦しい集団ではなく、女子だけのそれは圧倒的な華やかだった。
(あ、あいつは白石先輩、それにあいつは一年の川越! みんな、やっぱり・・・)
満面の笑顔で声を出しながら演技をする面々を見ていると、どこか見覚えのある顔ばかりだった。あの鍛え上げた肉体はどこへやら、柔らかな脂肪のついた健康的な白いお腹をさらけ出して踊っている。長い髪を震わせて汗が舞う。腕を上げるたびに全開になる脇の下が眩しい。お尻をフリフリと振って、脚を上げて・・・スカートが捲れ、むっちりとした太ももや股の間からスコートが露わになる。薄くメイクして心から楽しげに踊り、声を出す面々は、
(どこからどう見ても女の子だ・・・)
そう思わずにはいられなかった。誰も彼もが自分が男子野球部員だったなんて想像もしてないだろうし、真実を告げてもおかしいのはあたしの方ってことになるんだろう。
(みんな、おかしく思わないのか、いやあたしがおかしいの!?)
その時だった。

バチンッと脳裏が弾けるような感覚。同時に、つい数カ月前の練習光景を思い出す。あたしはみんなと一緒に音楽に合わせて振付を取って、背の高いメンバーの肩の上に乗って大きくジャンプする。基礎練習は大変だけど、やっぱり演技の間は・・・
あたしが再び目線を上げるのと音楽が終わるのが同時だった。ユニフォーム姿の少女たちは期待半分、不安半分といった面持ちでこちらを見ている。だが、あたしはそんなどころではなかった。
(何、今の光景? それにあたしは、何を考えていた? どうしてやったこともないのにあたしがあんなユニフォームを着て、振付のことを知ってるの?)

「日咲子〜どうだったのさ?」
よっしーの声にハッとする。
「え、えっと・・・」
気がつくと、監督さん含めてみんながあたしを見ていた。
「声はもうちょっと大きくして、ジャンプの時のタイミングが少しずれていて、全体的にちょっと元気がなかったかな、あと・・・!?」
(ちょっと待って!? あたし、何を話しているの!? チアなんて全くやったことなんてないのに!?)
だけど、あたしの指摘はみんなには真っ当なものだったみたいで。
「さすがは日咲子! しっかりとよく見てるね。さぁみんな、日咲子の指摘を反映させてもう一度! もう大会まで時間がないんだから! さ、日咲子は次から入って」
「あ、はい」
監督さんに促され、あたしも練習に加わることに。
(なんで、どうして!? 世界が改変されて、あたしの身体がチアの動きを覚えてるってこと!?)
初めてのはずなのに、あたしの振り付けは完璧だったみたい。何度も何度もみんなの前で見本を踊ることになって。
(あ〜もうやだぁ! 恥ずかしいのに身体が動き出したら止まらないよぉ! 運動神経悪いはずなのになんでチアだけこんな上手いわけ!?)
・・・そういや、あたしって元々男の頃から野球こそ得意だったけど、他のスポーツはそんなだったなぁ。それが今、こんな形で反映されてるってことなの!?

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そして、そんなこんなで数週間が経過した。それだけ経つといよいよアレも避けられなくなってくる。
「子宮が重い・・・」
休み時間に机に突っ伏しながら、思わずつぶやいた。
「な〜にを言ってんだろうね〜この娘は!」
よっしーがツッコミを入れてくる。
「今朝からずっと下腹の辺りがシクシクと痛むんだよ〜やっぱりアレの前兆なのかなぁ?」
「いや、そんなんもう何年も月一で繰り返してるから分かるでしょ」
何日か前からやけにおっぱいが張った感じがしていて、なんか妙だなとは思ってたんだよな。
「う~、だるい、なにもかもがメンドい~」
「日咲子は生理は重いもんねぇ」
そんなんだ・・・ホルモンのバランスが崩れているのか、情緒が余り安定しない。友人の些細な一言がやけに気になってしまう。
「お、そうすると今晩はお赤飯だな?」
なんて蓮にからかわれただけで泣きそうになる。
(やだぁ〜女の子やだぁ〜なんで女の子ってだけで毎月こんな目に・・・)

「蓮〜あんまイジるのやめな? 今日はマジで辛そうだし」
「ごめんね、ちょいふざけすぎたかも」
「いや、大丈夫・・・ひょっとしたら処理、手伝ってもらうかもだけど」
何てったって自分目線では今月が初めての生理だからなぁ。男のままだったらこんな思いしなくてもよかったのに。
(ずっと女のままだとこれが月一かぁ)
ブルーな気分に引き摺られ、取り止めのない考えが浮かんでは消える。
(ひょっとしてずっとこのままで、そのうち男と愛し合ったりするようになるのかな・・・うぅ、イヤだな~。ヘタするとあたしが子供を産んで育ててることになったり・・・)
想像するだに寒気がする。生まれた時から腕白坊主だったあたしが、数週間前まで鍛え上げた肉体美を誇っていた野球部員のあたしが、男に抱かれて妊娠させられるなんて悪い冗談もいいところだ!
(でも、こうして順調に生理があるのなら子供も産めちゃうんだろうな)
ネガティブが止まらない。
(結婚して炊事洗濯して、子供産んで、その子にお乳やったり・・・)
あー、やだやだやだ。

「なんか、そうやって落ち込む日咲子って物憂げで綺麗だよね」
「・・・惚れるなよ」
精一杯の強がり。
「やだなぁ、私にカレシいるの知ってるじゃん?」
「へ?」
よっしーの何気ない言葉に思考が止まる。あの、ずっと一緒に野球をやってきた、元球児で現美少女のよっしーにカレシ?
「ほら、去年部活で虎井学園の応援行ったじゃん? 毎年恒例の」
「???」
「なーに変な顔してんの? 向こうは男子校で、こっち女子校でしょ? 距離もそんな遠くないから、毎年野球部の大会の応援に私たちチア部が駆り出されるのは恒例じゃない! で、去年の応援の時に一つ上の先輩とちょっと良い感じになってそのまま・・・ね♡」
髪先を指でクルクル遊びながら照れ臭そうに話すよっしーは、どこからどう見ても恋する乙女で・・・あたしの知る勇ましい、闘争心溢れる『彼』の姿はどこにも見当たらなかった。
「でね、最近カレと良い雰囲気になっちゃって・・・そのまましちゃったの♡」
頭の中が真っ白になって生理どころじゃない。よっしーは男の頃彼女すらいなかったのに、改変後の世界では彼氏もできて脱ヴァージンまで済ませてしまっているなんて!
「わたし、オナニーの時はクリ派だからちょっと痛かったんだけど、本当に幸せで・・・」
蓮と顔を見合わせる。あっちもあっちで生々しい惚気話なんていらんわい!とばかりに妙な表情で目を細めている。
「だから、二人も早く彼氏作りなよ、応援するよ!」
「あぁ、うん・・・」
女の子同士ってこんな明け透けに性体験語るものなのか、よっしーが変態な方なのかよく分からない。矢継ぎ早の情報の洪水にしばしフリーズしていたあたしだったけど、続け様の彼女の一言にあたしは凍りつくことになる。
「特に日咲子は小山くんと距離縮めなよ。去年も良い感じだったんだから!」

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夏が始まった。
スタンドには、夏の日差しが容赦なく降り注いでいる。今日は、県大会の決勝戦。夏の全国大会への切符をかけ、虎井学園野球部は大一番に臨んでいる。対戦相手は・・・獅子上高校。奇しくも昨年夏と同カード。
(ってことになってるのよね・・・)

試合は虎井学園が序盤に1点先取も、その後は緊迫した投手戦。二年生エース小山有我は要所を締める行動を続けている。
スタンドからはそんなチームを応援するのは声援。近隣校の龍田女子高校のチアリーディング部だ。女の子たちは、ブラスバンドのリズムに合わせてポンポンを振り、応援をしている。
(なんで人前でおへそ出して!リボン付けて!ヒラヒラのスカート履いて!笑顔であいつらの応援しなきゃならないのよ〜!!)
精一杯の作り笑いを浮かべながら、仲間たちと共に応援する輪で、あたしは心の中で叫んでいた。
(虎井学園と戦うのはあたしたちのはずだったのにぃ〜)
事実が歪められ、昨年の準決勝であたしたちが倒した獅子上高校が二年連続決勝出場ということにもなっているし!
だけど、共に戦ってきた勇ましい男子たちは皆、かわいい女の子になってかつてのライバルの勝利を祈り、声援を送っているのだ。中にはよっしーのように恋人がいるメンバーすら。

(あたしたちがいるべき場所は・・・)
頭の中の叫びにはお構い無く、あたしの身体はポンポンを振り、仲間たちと共に応援を続けている。赤いリボンで結んだポニーテールがリズミカルに揺れ、汗が頬を伝う・・・健康的な白い太股をスカートが撫でる。膝がお腹に当たるのでは?という程に柔らかく伸びる脚。隠しきれないほど大きく膨らみ、弾むバスト。丸いシルエットのお尻。これ以上なく自分が女であると思い知らせてくる。
(今のあたしたちは女の子で、チアリーダーで。ここで野球する権利はないんだ)

試合は進み9回裏。虎井学園1点リードのまま、試合は最後のターニングポイントを迎える。2アウトからフォアボールをきっかけに得点圏へランナーが進む。あと1アウト。エースの小山を降板させるか、判断が難しいところだ。
マウンドに伝令が向かい、結論は・・・続投。試合の行く末を決める緊迫の場面。
マウンドの小山は胸元から何かを取り出してギュッと握った。
(ま、まさかあれって・・・!?)
それを見るや、あたしの心臓がドクンと跳ね、顔が赤くなるのを自覚した。小山が握りしめたもの、それは・・・
(大会前にあたしが渡したお守りじゃない!)

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大会の開幕直前、試合に臨む虎井学園のベンチ入りメンバーに向けて、チア部キャプテンの提案で一人一人手作りでお守りを作ることになったのだ。よっしーなんかは彼氏である先輩に向けて作っていたりしたんだけど、あたしの担当はよりにもよって小山だった。どうも男時代の因縁が、改変によって『ちょっといい感じの関係』ということにされているらしく、周りの面々がくっ付けようとしている節があった。
(冗談じゃない! なんであたしが男と・・・それも小山なんかと!)
だけど、部の決まりは決まりなので不恰好ながらフェルトでお守りを縫って渡すことになって。
「は、はい。これお守り・・・」
おずおずと差し出すと、
「ありがとう、大川さん!」
小山は屈託のない笑顔を浮かべてきたので思わずドキッとした。
(試合中の真剣な顔しか見たことなかったから・・・普段はこんな顔して笑うんだなぁ)
なんてちょっと見とれていると、あいつは少し頬を赤らめてあたしの耳元でそっと囁いた。
「あの、俺頑張るから。絶対甲子園行くから。だから・・・県大会優勝したら、一度デートしてくれない?」
思考停止。あたしは顔を真っ赤にして口をパクパクすることしかできなくて。しばらくして、ようやく
「うん」
とだけ返していた。それを聞いたあいつは一層笑顔になって嬉しそうにその場を駆け出したのだった。完全に舞い上がって、あたしが口にしてしまったことの意味を理解したのは少し経ってからだった。
(何で雰囲気に飲まれてあんなバカな約束しちゃってるの!? あたしは男なのに!)
試合でしか相見えたことのない小山の嬉しそうな声と表情が脳裏によぎった。

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(あいつ、こんな時にまであたしのお守りを大事そうに持ってるなんて・・・)
そう意識し始めた途端、何だが妙な気分になってきた・・・股間がムズムズとした感覚が。
(ん? 何だかパンツが湿っぽい・・・って、え? ちょ、ちょっと・・・)
脚の付け根あたりがぬるぬるするような感触。男だったらアソコが大きくなるから一発で自覚できるんだけど・・・まさかコレが!?
(下腹部がうずうずする・・・それに股間も濡れちゃってる・・・!?)
ひょっとしてコレが、女の子の興奮してるって状態・・・なの!?

そして、更にとろりと、アソコから雫が垂れる感触が・・・
(待って!待って!待って!)
あたしは焦った。
(こんな人前であたし、興奮して、股間を濡らしちゃってるの!?)
やばいやばいやばい
頭の中でループする。何しろ、アソコを濡らして、パンティにエッチな染みまで作っちゃってるかもしれないという、女の子にとってはものすごい恥ずかしい状況なのだから。
(何これ、暑い・・・)
身体中が汗ばんでいる。それはもちろん日差しのせいもあったけど、それ以上に現在置かれている危機的状況によるところが大きい。
頭に血が上り、体温が上昇し、心拍数も増してゆく・・・。
ブラの内側もかなり蒸れていて、ノースリーブの胸元からムワッと汗の臭いが立ち上ってきたように感じる。
(うぅ・・・もしかして、あたし、臭ってるかも・・・?)
女の身体になってからというもの、ニオイに敏感になっていた。体臭、特に自分の汗臭さとかには過敏になり、もう部活後の制汗スプレーは必需品だ。でも、今最も気になるのは、汗の臭いと言うよりアソコの臭い・・・。女の子の大事な部分から染み出た汁の臭いが、汗ばんだパンティから立ち上って、ミニスカートの内側に充満しているように思えてしまっていた。
試合の様子を固唾を飲んで見守る中、あたしは艶かしい脚同士を擦り合わせていた。
(人前で、エッチな気分になってアソコを濡らしてるなんて他人に知られたなんて・・・無理無理無理ィ!)

元の世界であたしが男子高校生だった頃は、エッチな妄想でナニを勃起させるなんて、それこそ日常茶飯事だった。
健全な男子の証であり何ら恥ずべきことではない!下半身にみなぎるその力は、男の悦び、男の誇り!
そう考えていた。でも当然ところ構わずおっ立ててるなんて小っ恥ずかしい。そんな時のやり過ごし方を思い起こす。
(とにかく気をそらせばいい、のよね・・・)
つまらない呪文を唱えたり、チンプンカンプンな公式を思い出してみたり。
(あと、男の裸とか思い浮かべたりすれば一発で萎える)
その時、男の裸・・・それも何故か見たこともない小山のそれを、ちらっと想像してしまう。
(引き締まった男のカラダ・・・胸が分厚くて、腹筋が割れたオトコの・・・)
乳首がジンッと疼いた。
(んうわあぁぁ〜!マズイ、何か、コレ、まずい!!!)
そして次に。その小山に抱きしめられる、裸の自分が浮かんできた。
(あっ、やばい、これ・・・!)
何かおかしい。そう思う間も無く股の付け根から熱い液が噴き出す感覚とともに、あたしの意識は白んでいった。これが女の子の絶頂だと気付いたのは数瞬経って意識が戻ってきてからだった。

試合は1対0、虎井学園の勝利。二年生エース小山有我が気迫の完投で甲子園行きを決めた。

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試合が終わって、ナインとあたしたち応援団はチャーターバスに乗って虎井学園のグラウンドまで移動し、盛大な祝勝会になった。
彼氏から手を振られて感極まったよっしーは泣きじゃくりながら抱きついた。一見クールな彼女とそれを抱き止める穏やかそうな彼氏。そんなラブラブな二人に、周囲は温かな視線をくれる。
幸いあたしがイッていたことは誰も気付いていないみたいだった。
(なんであんな気分に・・・それも小山で・・・)
そう悶々としていると。
「大川さん!」
「ひゃい!」
件の小山が現れた。試合の興奮の残り香か、うっすら上気しているものの、やはり素直な喜びを爆発させた笑顔だった。そんなピュアな瞳に糾弾されるようで、あたしは視線を外して
「おめでとう・・・すごかったよ」
そう言ってやった。
女の子になってさえいなければ、このポジションにはあたしたちが入っていたかもしれないのに!
そういう思いはないことはなかったが、勝手知ったるライバルの成果を讃えたい気持ちもあったのだ。
「はい、ありがとうございます! それで・・・」
カラの大きい小山がモジモジとする。言わんとすることはすぐに分かった。
「・・・約束だから、デート行くよ」
そういうあたしも、ずっと顔が真っ赤で真っ直ぐあいつを見ることができない。周囲からの温かな視線を受けながら、あたしたちは互いの連絡先を交換してデートすることになったのだ。

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怒涛の一日が終わった。あたしは一人、家路に着いていた。
「やっぱり今のあたし、変。小山と話してるだけで身体が疼いてきちゃう・・・こんなの、こんなの」
恋する乙女じゃない、そう出かけて飲み込んだ。それを認めると、もう戻ってこれない気がして。でも、実際に身体に感じる火照りは本物で。

家に着き、汗と愛液で汚れたチアのユニフォーム一式を洗濯カゴに放り込むや、あたしは制服のままで足早に自分の部屋に篭った。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、んっ!」
頭の中では、以前・・・男だった頃に蓮から教えてもらったAVで観た、女優さんの開脚オナニーシーンが再生されていた。
男を挑発する腰の動きが当時のあたしには鮮烈で、定番のオカズとして何度もお世話になっていた。あの腰の淫らな動きといったら・・・
(今、あたしも同じ動きができちゃってる・・・!)
チアで鍛えた柔軟性のおかげか、スムーズに腰を振るなんてわけがなかった。
(女って、感じると、みんなあんな風に乱れちゃうのかな・・・)
先程のよっしーの姿を思い返す。愛する男子に抱きついて、幸せそうに笑っていた。
(よっしーも彼氏と二人きりの時はあんな風に腰を振って、乱れちゃうのかな・・・)
そしてあたしも?

妄想をして腰をフリフリしていると、股間から液が止め処なく染み出てきて、滑りが良くなってくる。
(ビショビショに濡れてるよ・・・どうしよう・・・アソコが・・・切なくて・・・)
下腹部の甘い疼きが、じわじわと身体全体に伝播してゆく。そんな股間の疼きが飛び火したように、今度はオッパイの先端がジリジリ焼けるように疼き始めた。
「やばっ・・・!乳首も感じて・・・んんっ!」
先端を中心に生じたその感覚は、やがてオッパイ全体に広がってゆく。
(乳首がっ、硬くなって・・・感じちゃうぅぅ〜)
切なくて、焦ったくて堪らなくなって。

(女のカラダの疼きがこんなに凄いなんて、聞いてないよぉ〜〜〜っ!)
全身に伝う火照りに導かれ、あたしは・・・若い雌の肢体は勝手に『出来上がって』いく。
「あぁん、もう、やだぁ! オッパイ揉んでみたい・・・アソコもイジリたい・・・絶対気持ちイイ・・・!」
甘い誘惑に、思わず手が伸びる。我慢なんて出来なかった。あたしは制服を脱ぎ、ピンクの下着姿のままベッドに四つん這いになって、その準備を始めていく。
「んっ・・・!」
ちょっとした動きでも乳房が揺れる。右手を背中に回し、ブラのホックを外す。支えを失った双丘が重力に沿ってユサッとこぼれ落ちる。するとその先端で勃起した桜色の乳首が、緩められたブラとの中で擦れる・・・ただそれだけで、あたしの身体に電気が流れたような快感が走るのだ。
「あぁん、ヤバい♡」
頭の芯を貫かれるようなショックに、あたしはだらし無い笑みを浮かべていた。
そのまま空いた左手でショーツの縁を摘み、余計な刺激を与えないように、そろりそろりと下ろし始めた。パンティのクロッチ部分は派手に濡れているみたいだ。それがアソコに貼りついて、気持ち悪い。やがて何も付いていない股間が外気にさらされる。
(何でもないいつもの部屋で、あたしこれから一人でシちゃうんだ)
その背徳感がこれまた、背筋にゾクゾクするような快感を走らせるのだ。
胸と股間、両方からの刺激・・・快感の波状攻撃を受けて、あたしの理性はもう陥落寸前だった。
(裸になるだけで、こんなに気持ちイイなんて・・・♡)
右手で豊かな乳を揉み、左手の中指で割れ目に沿ってアソコを上下になぞる。
「あぁぁぁ〜〜〜んんんっ♡♡」
指先で乳首を摘んで、捻る。割れ目の中のクリトリスを弄り回す。アソコはもう、ジュルジュルのグチョグチョで。
(こ、これ、ヤバい、き、気持ちイイよぉ〜♡)
意識が朦朧とする中、四つんばいになった全裸の自分が、小山の逞しい男根を出し入れされる姿を想像して・・・ 
(まずいまずいまずいまずい!!)
この妄想はまずい。頭の中で警告が鳴り響く。だけど女の子の穴を出入りする指の動きは止まってくれない。
「あたしの頭の中、小山でいっぱいになっちゃってるよぉぉ!」
小山のことを思う・・・逞しい身体、試合中の真剣な表情、あたしと話す時のくしゃとした照れた笑顔・・・想うたび、あたしの心に切ない気持ちが膨らんでいく。
「ダメェ! 小山のこと好きになっちゃうと、男の子に戻りたくなくなっちゃうよぉ!」
分かっているんだけど、止まらない。
(小山!小山!小山!小山ァッ♡)
約束したから、あたしはきっとあいつとデートに行くんだろう。ランチや映画、カフェなんかに行って、別れ際には、きっと。
『大好きだよ』 
妄想の中のあいつが囁いた。
「イッ・・・クゥゥゥゥ〜〜〜♡♡♡」
(もう、無理ィィィィ〜あたし、女の子として小山のこと好きになっちゃったよぉ〜〜♡)
妄想と指だけであたしは絶頂に至り、果ててしまった。
意識が遠のいていく。
(おじーちゃん・・・あたしを早く男に戻して・・・でないと、あたし・・・)

21
数ヶ月後。
「ひぃ〜ひっひっ! ようやくチャージが完了じゃ! これで再度装置を使えるぞい!」
相変わらずの古ぼけたラボで、祖父が言う。ここ最近はずっと作業にかかりきりだったし、あたしも色々忙しかったから、日々顔こそ合わせていたけどきちんと話をするのは久々だ。だから、今日まで肝心なことを伝えていなかった。
「あの、その・・・」
いざ伝えるとなると恥ずかしさと緊張でモジモジと頼りない所作になってしまう。
「ど〜したんじゃ、日咲子? あんなに待ち望んどったじゃないか!」
「あの・・・やっぱりいい、かも・・・良かったらあたしをこのままずっと女の子にしてくれない・・・かな?」
あたしの答えが予想外だったのかどうなのか、おじーちゃんはしばらく口をあんぐり開けた後、
「なるほどのぉ〜! 最近のオマエの変化もようやく合点がいったわい!」
そう笑った。
「そ、そうかなぉ?」
照れ臭くて、ついつい髪を指先でいじる。
「そういう細かい仕草もそう、顔つきもイキイキしとったしのぉ! それに近頃は随分と色気付いてきたと思っておったわい!」
「そんなぁ!」
確かに最近はスキンケアやコスメ、ムダ毛処理にも気を遣ったり、よっしーに教わった薄いリップ付けたりもしてるけど、そんなにかなぁ?
髪も校則違反にならない程度にほんの少しだけパーマをかけてアレンジしやすくした程度だし、こんなの普通だと思うけどなぁ。
「なんじゃ日咲子、そんなにオンナを磨いて・・・さては男ができたな!?」
「や、やだぁ〜! 恥ずかしいからやめてよ!」
小山・・・ゆぅくんとは結局デートをきっかけでお付き合いが始まってからはや二ヶ月。部活も一息ついたタイミングだしイイじゃない!
これまでは清いお付き合いだったけど、お互いに『そろそろかな?』という気配を感じつつあって、めちゃくちゃ盛り上がってるところなんだから。
「はぁ〜もう分かった、いいわい! 実証実験の続きはワシが一人で済ますわい。なにが悲しうて孫の『女の顔』を見ないといけないんじゃ!」
手をヒラヒラと振って、あたしはおじーちゃんのラボから追い出された。・・・女の子の身体のままで。
「最後に確認じゃ。本当に男の人生も、野球もいいんじゃな、日咲子?」
「うん! あたしもみんなも、女の子になってすっごく楽しいから!」
あたしはそう笑った。
「ほ〜ん、分かった。ま、彼氏と幸せにの、日咲子」
おじーちゃんもそう言って笑った。

22
あたしはその足で自分の部屋に戻るや、先に入って待っててくれたゆぅくんに抱きついた。
「ひーちゃん!?」
びっくりしたのか、声を上げる彼。
考えるより先に体が動いていた。あたしはゆぅくんの背中に手を回し、自慢のバストを押し当てる。反射的に頬を染める彼に精一杯顔を近づける。
何が起こるのか察したゆぅくんは一瞬だけ身体を震わせたけど、逃げようとしなかった。真剣な目と目が合って、どちらからともなく。
「んっ・・・!」
彼の唇はとても柔らかくて。
「んんっ・・・んっ♡」
くぐもったような息が鼻から漏れる。男だった頃、AVでよく聴いた悩ましげな雌の声。太ももに当たってるゆぅくんのアレはビンビンに大きくなっている。
(嬉しい・・・ちゃんと女の子として見てくれてるんだ)
あたしはますますキスが止められなくなった。ゆぅくんはあたしの頭をしっかり抱きしめてくれた。小さな身体が包まれて安心感があった。
「はぁっ、んんっ♡」
軽く唇を開くと呼応するようにゆぅくんも唇も開ける。チロッ、チロッと舌を送り込むと、彼はそれに舌を絡めてきた。
「んんっ!?」
ゆぅくんの舌が押し返してきて、あたしの咥内に唾液と一緒に侵入する。あたしはそれを丁寧に舐め取り、その甘い液体をゴクリと飲み干した。
(これがゆぅくんの味なんだ♡)

あたしはもう、すっかりのぼせ上がっていて・・・はたからすると発情しているようにしか見えなかっただろう。実際、もう何もまともに考えられなかった。
ゆぅくんに体重を預けると、そのままベットに押し倒される。
「きゃっ♡」
柔らかな太ももの間に彼の肉厚な身体が入り込む。あたしの柔らかい胸が、彼の硬い胸板と重なって形を変える。
(ヤバい・・・男の子ってこんなに違ったんだ。硬くて、ゴツくて・・・いいなぁ)

「ひーちゃん、触るよ」 
大きな両手があたしのおっぱいをワシっと掴む。
「ひゃぁああああああああ!!!」
「すごっ、柔らかい・・・気持ちイイ」
「ふにゃぁあああ!!!!」
(自分で触った時と全然違うっ!? なんでこんなに気持ちイイの!?)
強く、荒々しく胸を揉まれる。グニュグニュと形を変えて、彼にその弾力、柔らかさを存分に知らしめる。待ちきれないのか、スクールブラウスを剥ぎ取られ、
「ブラジャー、も」
「あっ♡」
気がついたらブラのホックが外され、お胸が彼の眼前に。恥ずかしくてたまらなくて、思わず目を背ける。
「すごい、乳首綺麗だね・・・エッチだよ」
彼の言葉に全身がまた一層と熱を帯びる。双丘の頂点にポッチリと浮いた乳首が指で摘まみ上げられる。
「きゃぁぁ〜♡ あんっ、あっ、あぁっ♡」
自分のものとは思えない嬌声が飛び出した。
(あたしもこんな女の子らしい声、出ちゃうんだ)
大声を上げて、ママやおじーちゃんに聞こえちゃうかもだけど、知ったことじゃなかった。女の子だから味わえるこの快楽を存分に享受したかった。

24
「んぅ・・・」 
あたしの口からまた甘ったるい声が漏れる。ゆぅくんの右手があたしの股間の方に流れ、
「んぁぁぁっ♡」
パンティ越しに太い指でスジに沿って上下する。その度にあたしの股間は温かい液体で濡れぼそっていた。
「あぁっ、あぁっ、あぁ〜ん♡」 
さっきまでより一層高い声色、甘い声がほとばしった。
「うわぁ・・・ひーちゃん、めちゃくちゃ濡れて・・・」
「いやぁん♡」
思わず彼の胸元に顔を押し付けてイヤイヤと首を振る。逞しい男性の身体に包まれたまま、ショーツのクロッチがずらされる。ピチャッ、ピチャッといやらしい音とともにあたしの割れ目が広げられ、節くれだった指が入り込んでくる。
「あぁっ、あぁぅ、あ、あ・・・♡」
声にならない何かに、ビクンビクンと身体が震えている。
(あたしのお◯んこにゆぅくんの指、挿れてもらっちゃってるぅ〜〜♡)
嬉しすぎてすぐにでも昇天してしまいそう。

「気持ちイイ?」
「うん♡ ヤバい♡ おっぱいとお◯んこ、気持ちイイ♡」
ぐにゅりと、股間の形が変わるぐらいに太い指が押し付けられて
「ぁああああああ~~~♡♡」
全身をエビ反りにぶるぶると震えながら、ゆぅくんに身体を預けた。がっしりとした身体が、ぐにゃぐにゃになったあたしを優しく受け止めてくれた。

「これだけ濡らしてたらもう大丈夫かな?」
「あんっ♡」
興奮も冷めやらぬまま、ぐいっと引っ張り上げられる。
「もう、我慢できない・・・!」
ショーツを脱がされ、あたしは遂にすっぽんぽんになっていた。見ると、いつの間にかゆぅくんも。

お尻の割れ目に、硬い何かが押し付けられた。これって・・・
「きゃあ〜♡」
テンションが上がって心なしか嬉しそうな声が出てしまった。
「うわ、ひーちゃんのお尻ってやわらか」
すりすりと熱い塊があたしの桃尻を撫で上げる。
「うひゃぁあああ!!」
あたしのお尻を、ゆぅくんがぐいと掴んだ。
「あァン♡」 
甲高くて、それでいて煽情的な声。もう、我慢できないほどにアソコは燃え上がっていた。
「・・・れて、挿れて! お願い、ゆぅくん! 早くあたしのナカに挿れてぇ〜♡」
四つんばいになったあたしの口からは、信じられないぐらい卑猥な言葉がついて出た。恥ずかしくて恥ずかしくて、なのに、とても待ち遠しかった。
背面越しに見える太くて長いそれはビクビクと脈打っている。
見ているだけであたしの股間からは新たに液体がダラダラと垂れてきて、陰毛に留まらず太ももを濡らし始める。
(あんな太くて大きいので、あたしが・・・本当は男の子で、ゆぅくんのライバルだったあたしが犯されるんだ・・・♡)
倒錯感でおかしくなってしまいそうだった。汗臭くて、土ぼこりの混じったゆぅくんの良い匂いがした。唾液が唇から垂れる。
反り返ったそれが迫ってきて。
グチュリ、と音を立てて硬い棒があたしの中に突き立てられた。

25
「はぅぅぁぁ〜ッ!」 
腰が浮き上がる。目の前でチカチカと星が飛ぶ。ゆぅくんも何か叫んでたみたいだけど聞こえない。股の隙間から背後を見る。垂れ下がってゆさゆさと揺れる乳房、その先には自分が彼と繋がってるところが見えた。
(やばい、これ、嬉しい♡ 幸せすぎるっ♡)
全身が痙攣してブルブル揺れる。気持ち良さが勝って、心配していたよりも全然痛くなかった。
快楽に震えるあたしの脇から、ゆぅくんの両手が滑り込んできて腰をギュッと捕まえる。離さないとでも言わんばかりに。
震えるお尻にもう一度、アレが突き上げられて、奥でコツンと何かに当たった。
「んはぁぁぁ〜んんっ♡」
パンッパンッ!
肉棒の挿入が繰り返され、あたしの中を擦り上げる。出し挿れされる度、ぶるんぶるんと胸や太ももが上下に激しく揺れる。
「ひっ、ひゃっ♡ ひゃめ♡ やばっ♡ ひゃぁぁぁぁ〜♡♡」
「気持ちイイ、ひーちゃん気持ちイイよ!」
「あた、しっ、もぉ〜♡ やぁっ♡ やっ、あっ、あっ♡」 
喋ろうとする度にゆぅくんの熱いおち◯ち◯があたしの中を出入りして、言葉にならない。
「俺たち相性バッチリだね」 
「うん♡ うん♡ うん♡ 熱ぃっ!熱いッ!」 「もうすぐにイクかもッ!」
「ひぃっ♡ ひぃやぁっ、あっ、あぁっ♡」
いつの間にか正常位の姿勢に押し倒されて、股を押し広げられていた。ゆぅくんがあたしに覆い被さってきて、あたしは見上げる姿勢になる。目の前には二人の結合部。凝視して視線を外せない。股間に差し込まれては抜け、また侵入してくる太いモノに、女の子の部分が擦られ刺激され、全身が熱を帯びていく。
「あひぃ♡ あひぃぃぃんんっ♡ やんっ、やっ、やぁぁぁ〜んんっ♡」
痺れた胸をゆぅくんに押し付けて、目の前に来た彼の唇を唇で捕まえて。
何が何だか分からなくなったあたしは、何かを叫びながら、ギュッと彼を抱きしめて。
ゆぅくんの脈動するイチモツがあたしの中で暴れ回る。
「大好きだよ、ひーちゃん! そろそろ、出るゥ!」
「うん♡ 出して♡ あたしの中で出してぇ! 好きっ♡ 好きっ♡ ゆぅくん、大好きィィ〜♡」
ドピュッ〜〜〜〜!?!?
「んひゃぁぁぁぁ〜〜〜んんんぁぁぁっ♡♡♡♡♡」
何か熱いものが放たれ、あたしは意識を手放した。

26
隣で寝息を上げる彼を見つめ、あたしは笑みを隠せなかった。
だらしない寝顔の彼を見て安心している自分がいた。
(可愛い〜)
あたしはもう、ゆぅくんのライバルじゃない。彼と敵対する立場じゃなく、恋人という立ち位置で、ずっと一緒。それが心から嬉しいのだ。
これから彼はまた次の大会が待っているのだ。あたしはそれを恋人として支えたい。
(あたしのこと、もっと可愛い、付き合ってよかったってもらえるように頑張らなきゃ!)
これから来たる彼との毎日を想像して、あたしは彼の腕の中で微睡むのだった。

投稿者 amulai002

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