【投稿小説りばいばる】ジェラルド三姉妹たちの狂愛~次女アンナの覚醒~

2025年9月12日

2011年5月ごろ公開した作品です! 
テキスト 黒い枕 イラスト うつき滄人

午前四時――唯川  竜也は、三姉妹から逃げようとしていた。
ギョロギョロと目玉を動かし、玄関に向かう。

(――よし、誰もいないなぁ……)

誰もいないことを確かめながら、ゆっくり丁寧に進む。
兎に角、ばれない様に。

(俺は男なんだ……女の子なんて、女の子でお飾りや、セックスなんて、お断りだ)

男として見てもらえないなどと言う、生ぬるい話ではない。
かつて、チャンスだと思っていた生活が、三姉妹たちに唯川 竜也を男として認知させる機会が、今や彼女たちに『弟』から――『女』として扱われる原因となっていた。
脈絡がないというか、意味不明というか、男として最悪である。
不甲斐無さが屈辱と化し、だからこそ竜也は、この生活に終止符をつけようとしていた。

「よし、いないな!頼むから、いないでくれよぉ。――よーし、よーしぃ…っ」

大の男が、三人相手とは言え、女性から文字通り尻尾を巻いて逃げる。
それはそれで恥かもしれないが、ここにはそれ以上の汚辱が、辱めがあった。
だからこそ、彼は自分の行為に何の迷いも持たずに、実行していたのだ。

「アイツらも…これで元に戻ってくれるといいけど…」

時間が彼女たちを、まともに戻してくれるかもしてないと、儚い望みに賭けて、竜也は玄関に腰を下ろす。
後は靴を履き終え扉を開けて自由になるだけ、である。
勝利の確信に竜也のにやけが止まらない。
踵を整え、立ち上がり――。

「どこに行こうとしているのかな? キミは?」

空間に広がった声に呼び止められ、足が止まった。
一人しかいない筈の空間に響き渡る他者の声――女性の声だ。
幻聴だと妄想に逃げ込む暇すら与えられずに、竜也の左肩に手が添えられる。

「う…ぁ…っ!?」

後ろにいる人物が誰であるのか既に理解しているが、反応できない。
いくら三姉妹の中でも温厚な彼女であっても、猶予を与えてくれないことは明白だった。
走り出すことも、悲鳴を上げることも出来ないまま竜也は玄関で固まる。

(――何で起きているんだよぉ! マズイ、マズイ…ッ!?)

最初に声を掛けられた時から、さらに冷や汗が数滴、背中を流れる。
しかし沈黙は、なおも続く。
肩に乗せられた異性の温かみ――と、半端ない怪力が独特の鋭利さで精神を追い詰める。

「あっ…あのぉーこれは違うん…」

我慢できず竜也は言い訳しながら振り返ったが――またも心と体が止まる。
最初に見たものは予想した通りの顔だった。
同居人の一人、アンナ・ジェラルドの凛々しい顔である。
そして磨かれた四肢と相反し、豊満に育った乳房と臀部の色香が、彼を魅了した。

(…この、お前の方が絶対にエロいじゃねえか!って――体を入れ替えるから、一緒なのか!?いやでも…ああっ!と、兎に角、お前の方が色気むんむんじゃねえか、アンナ!!)

魔法やら気術やら科学やらの影響なのか、元からあった美乳が一気に成長した結果の巨乳。
非常に女らしい乳房肉が軽装のシャツからしっかりと見える。
ノーブラだと直に分かる輪郭。
肉感的且つスリムに完成された体が、唯川竜也の意識を離さなかった。
彼女は、それ程――ありとあらゆる不安要素を吹き飛ばすぐらい――美しかったのだ。

(綺麗だよ!?うん!俺よりもエロぃよ!うんっ!ん?……いや、いやいや、まて!)
「ちょっと――待ってぇぇええ!?」

これなら、自分が――竜也がアンナに成らなくてもいいじゃないかと、深く考えたのが、失敗だった。
現状を思い出して、あわあわと両腕を動かす竜也だが、もう遅い。もう逃げられない。
彼女は、竜也の両肩を捕らえると、殺気を吹き出し、ニッコリと笑みを深めながら――。

「フンっ!」
「――っ!!」

ごつんっ!!
気合と共に、もの凄い勢いで、おでこを振り下ろした。
毎回思うが、この頭突きに比べたら鉄バットで叩かれる方が、まだ優しいのではないか、と。
鈍く激しい痛みで竜也の思考は停止する。

「くうぅ――あ……っ」

意識も、無くなる。
そして『お馴染み』の感覚に襲われ、竜也は二秒ほどの気絶から覚醒した。

「んっがぁぁ――ッ!!? くぅ……ああ!!」

ずきんずきんと、痛む頭部に手を当てて、竜也は前を見やる。
眼前では同じように苦悶し、けれども、どこか誇らしい自分が、『唯川 竜也』がいた。

(アンナぁぁぁ!! ヤリやがったなああ!!)

根源的な恐怖と不快感に襲われ、彼は悟った――体を入れ替えられた、と。
竜也は下を向く。
捉えたのはシャツを突き破ろうとする大きな、大きすぎる胸。
Gカップの巨乳が、竜也の戸惑を他所に、ぬぐぬぐと揺れていた。
ここまで来ると怒りよりもあきれの方が強く出てしまう。
そんな胸の蠢き――と言うか。

「んっ――このぉ」

衣服すら異なり、それを感じる皮膚感覚まで違う。
瞳の前に揺らぐのは鮮やかな紅色の毛。

「いぃっ――いい加減にしてくれよぉ…」

慣れようが慣れまいが、お構いなく竜也は羞恥心に悶えた。
高潮する顔。
胸を抱き上げるように手のひらで押さえる。

「く…っあ…ん…」

敏感な頂点を少し、刺激してしまい吐息が漏れた。これも慣れたのか、竜也はさして気にもせずに――もしくは、諦めて――背後を振り向く。
臀部が、むちむちと浮かんでいる。

「う、うう…うぅっ……」

股間には、すっきりしつつも、絶えず擦れているような、女性器の感覚があるではないか。
胸だけでも、手だけでも、お尻だけでも、ましてや股間だけでもない。
全体が、全身が完璧な女の子へと、変貌を遂げている。
呆れ果てるしかないほど――アンナの体だった。

「満足したか?……アンナ…」

複雑な思いで肉体のあちらこちら竜也は触り、抓り、確認し終えた後――竜也は眼前の『唯川竜也』に言葉を掛けた。
本当に、しぶしぶ、と。

「勿論!私って竜の体と相性が良いみたいだよっ」
(……早速、男の子しているよ、コイツ――っ)

ジェラルド家の三姉妹たちは最近あることに夢中になっていた。
それは彼と『体を入れ替わる』、という常識では考えられないことである。
異性の感覚を味わい、最後には異性にした竜也にセックスを強要する――これが愉しくてしょうがないらしい。

(はぁ~、まぁアンナなら…大丈夫かな…コイツはあいつ等よりも優しい…んっでもぉー…、せ、せめて胸だけでも、小さくならないかな…き、気に、なる)

アンナは兎も角、ナタリアもケイトも、竜也を女の子として『調教』するほどのお熱ぶりだ。
彼は毎日のように女の快感を与えられ続けられている。
故に――この時点で、彼の顔は子犬のように悲哀に満ちつつ、愛らし過ぎるモノだった。

「まぁ…そうじゃないと俺の苦労が報われないしな…っ」
「おっ…分ってるんじゃん!そうか!そうか…っ、キミも分かるようになったか、あはは!」
「あっ、お、おい!」
(このっ…だから…アンナの馬鹿っ!!)

色々なことを諦め、大人の、大人の振りをして懐の大きさを示した竜也の頭を、アンナは唐突に撫でた。
これが、彼女の癖だった。
頭を撫でたり、抱擁したり、気分がいい時などは、接吻までする。
大変、屈辱なのだが、悪い気もしない。
むしろ、恥らうと言うよりは、照れているような顔で、彼女を見上げているではないか。

(こっ…こいつ…あっでも…安心できる…んっ…あ…ん……)

アンナなら、大丈夫――と、訳の分からない安心感まで宿すようになった竜也。
結果、彼には、『自分の体』であるアンナに、早々にときめいてしまう『癖』が付いてしまっていたのだ。
丁度、今のように、アンナに過激な感情を抱かずにはいられないのである。

「ちょ…痛い…痛いよぉ」
「ん~んっ……やっぱ男の体はいいわ!なんだか逞しくなった気分…っ!」

痛みで漸く、正気を取り戻した竜也が頭を襲う手を払うと、待っていたのはご褒美だと言わんばかりの至誠の笑顔。
彼自身も理由を知らないままに、顔が熱くなる。
そうなると顔を反らしたいのに、じっと見つめたい気分と言う矛盾した感情も沸き起こってくる。

(うっ!なんか…ズルい!…俺のとき、よりもカッコいい…!)

屈託のない笑顔に不意打ちのような衝撃が走る。脳が揺さぶられた。
ナタリアとも、ケイトとも違う純粋無垢な心意気が胸をギュンギュン騒がせ、鼓動音が煩くなる。
竜也は恋しくて、切なくて――本人いわく仕方なく――子宮を奮わす。

(ううぅ~~っ、どきってするな! どきってするなぁ! 頼むから堪えてくれぇぇ、俺…っ!?)

恋を初めて知った少女のように小柄な肩を震わせ、胸を押さえるアンナ――こと、竜也。
竜也が照れていることなど誰の目から見ても明快だ。
今も昔も、これからも現れないような純粋無垢な女性へと、彼は変身していた。

――

(うわぁーっ、襲いたいィィ!? いやいや我慢我慢!!流石に私まで襲っちゃあ、可愛そう……でもなあぁぁー! 姉さんやケイトに譲りっぱなしでご無沙汰だし……うっがああぁ…ッ!! いや、待てよ、そりゃあセックス回数が多くても私の場合は竜の同意の下で行っていること――も多いからいいかな? ……いっいいよなっ、うん!)

そんな『彼女』に――乙女と化していた本物の竜也に――今現在の竜也の体が疼いてしょうがなかった。
主に股間が。
赤面している竜也を抱きしめ、接吻をしたい衝動がアンナに満ちていく。

(ああ、竜のおっぱいにキスしたい。恥じらい方が乙女だよぉ!キミ――っ!?)

ココは女が嵌りすぎている竜也に鳴いて貰おうと、他の姉妹より穏やかな性欲でアンナは竜也を見やる。
もっとも、襲いかかる前に第三者の声が阻み、アンナの欲望は一時停止した。

『アンナさま、欲情している、ところ、申し訳、ありませんが、約束を……』
「あっ…あぁ、勿論――竜っ!」
「えっ何? えっルナ!? ちょっ…何っつ!?」

第三の声――ルナにより我を取り戻したアンナが、今度は竜也を現実に連れ戻した。
だが、彼は状況の変化に着いて行けなかったようだ。
何回も瞬きをして、気付かないうちに現れたルナに、タジタジである。
そんな怯えている様子も、また可愛らしく、アンナは余計に盛った――が。

『竜也さま、申し訳、ございません、が――マスターの、命令を、実行します』

彼女ではなく、ケイトの忠実な僕であるルナに、この場の支配権が奪われてしまった。
アンナの豪腕が動く前に、ルナから白い物体が幾つも、竜也に向かう。

「なっ…なあ!? ちょっ…本当に何を…!!ひぁぁ――ああっ!?ひぃぃぃ!?」

ギラギラする熱意を注がれて怯えている竜也を、それは易々と掴んだ。
それは、白い手だった。
白いグローブを模したルナのロボットアームが、何本も竜也を、アンナの肉体を掴んでいる。

「まぁ……自業自得ということで…覚悟してよっ」
『それでは、失礼します、竜也さま――』
「なんの話だよおおおぉぉッ!? ひゃぁああぁぁ!?」
「安心しなよ、ただの着替えだから」
「嘘をつくなぁああ!!や…やめてくれぇぇぇ!!いやああ!!」

お決まりというか、何というか、コメントを出せないほど、竜也は乱れた。勿論、淫靡に。

「は…はぐっ!はぐうぅ…っ…ああ!んあっ!!」

『アンナ』は軽々と宙に持ち上げられると、そのむちむちの臀部を、腕を、ふとももを――そして、胸を思いっきり揉まれ始めたのである。

「いっ、いや!? こぉ、らぁぁ――ひぁびぃぃ!? あっ…ああ!!」

立派に育った体――弄られている竜也――を、見やりアンナは思う。
『致命的』な程、卑猥だと。

(これは…これは――んん)

ほんの少しの振動で折れてしまいそうなまでに鋭く美しい手と足。
シャツから脚光があたるスターのように鮮烈に激しく揺れるのは、巨胸。
起こされて直ぐに駆けつけたためにノーブラだった胸元は、支えがないにも関わらず見事な直立を魅せて、波打っている。
深い谷間が出来上がっており、実に感慨深い。

「ひぁぐぅぅぅ!! あん! ああ、んっ!! やめ…こらンン!! や…ばっ――れぇぇ!?」

手足の自由を奪われているため、せめてとばかりに怒りを募らせている竜也。
健気に涙を溜め込みながら、自分を支配している相手を睨んでいた。
肉体が女なら、精神も女の子側になるらしい。
アンナから見ても、今の竜也は″乙″女である。

「あ…あんっ!やめ…てぇ!あっ…そこは…ああっ!!」

と――言うか、怖いぐらいに、不純物一つない、『女』だった。

「…………っ」

声を上げられないほどの妖艶さ。
ナルシストでもないのに、レズでもないのに――竜也のせいで、アンナは『男』として興奮せずにはいられなかった。
前屈みに成り、股間の暴走を押さえる。

「あ…ちょ…ルナ…遣りすぎ…あっ、でも…いいか…」
「ひぁ!ひやぁあ!んぐうぅ!!」

そこで竜也への汚辱は加速する。
肉体上は女である今の竜也に対して、無常に、無言のまま、さらに四本の腕が追加された。
機動音を唸りのように上げ、ルナは束縛を――性的イタズラを強化したのである。

「ひぁぎぃぃんんっ! おああ! ふぅぅっ! あひン! ああっ」

幾つもの、白いグローブが高速に動きつつ、ジワジワと女性の体を蹂躙する状景には、流石のアンナも嫌悪感を禁じえなかった。
現在責められていない上、男の体を手に入れていた本物のアンナすらも、あまりにもイヤらしい蠢きに身震いしてしまう。

「ひゃぁめええ!! なっにぃ、にを……あひぃぃ!」

だが、同時に胸の中にどうしようもない衝動がこみ上げていく。
あの理性のない手のように、己が獣のままに――支配したい。
目前の自分の姿をした彼の全てを、屈服させたい。
『アンナ』の体で遊びたい。
獣の雄叫びだった。
例え外見が自分――アンナ・ジェラルドであったとしても、エクスタシーを感じるほど扇情的。
いや、エロい以上に、愛らしくて、仕方ない。

(これじゃあ、姉さんやケイトが襲いたくなるのも分かる…私自身…たまらんっ!! 彼此一週間ぐらいも前だし……うぅっ!!)

長女や次女よりは頻繁に弄ばず、襲わず、交わらないを、仁義を守っているアンナ。
そんな優しい心でも『自分』を、そして『姉妹』たちを――女の体になった竜也を――無性に
蹂躙したくなることがあるのだ。
心が肉体に支配される。
少ないとは言え、自らセックスに誘ったこともある。
さらに何故か、自ら誘っていないのに竜也のほうからセックスを望まれたことも――。

「くあぁ……やばぃ――限界だ、あ…」

そして、気が付けば三姉妹の中で――入れ替わった状態で――竜也と交わった回数が一番多くなっていた。
彼女の中で、どんどんと、淫乱な彼が定着する。

「あっ…ああ!…くしょッ…まっんあ…ひっあン!」
『ここ、ですか、ここが――いいのですか』
「あっあはぁああんん!!」

言葉どころか仕草一つ一つが、可憐である。
変な所で意地になり、ここ一番にオカシクなる珍妙な彼――『彼女』。
『唯川 竜也』になっている三姉妹には、それが堪らない。

(ああ…あんなに胸をぐぬんぐぬん、弄られて、泣いて…か、可愛ぃぃ)

彼は『女』だった。
それこそ顔に文字で、『犯して』と書かれているような――『女』である。
元から魅惑の美貌を誇っている身体に、彼の魂が隠し味と成り、数十倍も輝く。
甘美な匂いすらも感じる。
兎に角、強烈だった。
例えるなら、核爆弾並みの破壊力――と言っても、差支えがないだろう。

「うんわっ…ン!こらぁぁ……どこっ……きゃンん!ひゃあ!…あ、…アホ機械ィィ――変なとこ、とこ…んあっ。ふぁッ!?ちょっ…ヤメっ…おかしなるぅぅ!!」

その癖、ワザなのだろうか。
『男』の愛欲を突くような切ない声を恥も外聞もなく叫んでいるではないか。
アンナが雄の支配欲を、それこそ軋む音を立てながら耐え忍んで『あげているの』と言うのに。
思量が足りない。失礼極まりない。

(うわっ…私なのに…私、じゃないぃ…どうしたら、あんな女々しい声を出せるんだろう?)

だから――犯しても、もっとい、セックスに誘ってもいいだろう。
そう自分の性欲を正当化したアンナを余所に、さらに竜也は可愛い声を張り上げた。

「ひぁ! ひゃン!? ひゃああンン――!? もうっ胸はぁ…胸はダメぇぇ!!」

巨大な肉の塊が歪に変形されていく度に淫猥さが増していく。
強引に体を擦られ、揉まれる――の繰り返しに、アンナ(竜也)は涙すら流していた。

竜也が全て悪いわけでないのは分かる。
――が、それを差し引いても、女の子すぎる、と言うものだ。

「ひぁ!ひああっ!らぁっ…ダメぇぇぇ!!」
(もういい――もう喰うっ!)

いや――やはり彼が悪かった。
アンナ・ジェラルドの、自分の体で、底なしに淫靡に乱れているのが悪いのだ。
アンナは『男』らしく、改めて決めた。

(今日はヤルうっ!! 第一に私のことをセックスに誘うのは竜のほうが多いわけだし――うん。あんな風に人に馬鹿にする竜が悪い! …ここはお灸をすえないとっ)

竜也とアンナは今まで散々、性交を行ってきた。
その中にはアンナが強引に誘って犯した時も確かにある。
だが、総合的な回数で言えば、竜也のほうからセックスを望んでくる確率が高かった。
だから、誘ってもいいし、少し強引になっても、ご愛嬌なのだ。

「ふあぁぁ!!――ヤメってぇ…んひゃぁあ!?」

何時の間にか、赤ん坊じみた格好を晒す『アンナ』の体。
赤毛のショート・ヘアーが揺れ、耳すらもピンクにして目を瞑り刺激を耐え忍んでいる。
可憐とは無縁のものだと思っていたアンナが、『自分』が見事に変身したものだ。

「ひぁっ! くあっ…ああ…くうう――もう、勘弁…ひぁいいンン!!」

終始悲鳴を上げっぱなしなお口も、実に良い。そそられる。

(おい、おい…っ!メス犬過ぎるよ――竜っ)

アンナ・ジェラルドの体を立派な『女』にしてしまう彼の乱れ様に、戦慄するばかりの竜也――
こと、アンナ。
すると、びいっぐん…っ!

「……っ」

雄々しい臭いを滲み出す彼女の股間が一段と強く、飛び跳ねた。

「アンナ…っ、お前だけは、まともなままでいてくれると信じていたのにいいぃ!!」
「あァ――約束なんだ、悪いね。ルナとの約束。起こしてくれたお礼に、私の体をある程度まで好きにして良いって約束。 まぁ竜の自業自得でもあるし、承諾してくれ……って無理か……ぷっっ!!」
「ルナアァァアアーッ!!」

元凶たる存在を呪うが、既に影も姿もいない。
しかし、いる。 確実にいる。
なぜなら、彼女のマスターはそんなことを望まない。 
外見は少女だが、中身は魔王なケイト・ジェラルドは、そこまで生温くはないのだ。

(うう……こんな、こんなぁぁ!)

高度なステルス機能を使い、ルナは今の竜也を包み隠さず録画して決まっていた。
何十回も盗撮された経験によって培われた直感に、背筋がぶるぶると震える。
『この姿』――を見られて、撮られていると、考えただけで背筋が強張る。
今、身に纏っている服は、本当に服か?
マントを羽織っている方がまだマシなものが、服?――答えは否である。
竜也は顔をくしゃくしゃに歪ませ、両手を胸に当てた。

(はず、かしい…よぉ)

ストーカーに付きまとわれる女性は、こんなにも不安で怖いものなのか――と女性の繊細さを体感する。
その上、体が風にひゅうひゅうと、撫でられた。

(こんなはず、はずかしめ…あんまりじゃないかぁあ!)

もう随分前から女の子で、女性として抱かれている――が、それでも、それでも、と。
潤んだ瞳を上に向け、羞恥心で震える唇を制し、もはや胸を隠すべきか、股間をかくすべきか、迷っている両手を固定して、大――絶叫。

「――流石にィっ……裸エプロンは無いだろうがああああああぁぁぁぁぁっっつ!?」

体を隠すのはたった一つの布地。
ほぼ確実に衣服の分類ではない――可愛らしいフリル付きのエプロンだ。

「ぷっ…く、くく。そ、そうだね、わ、私からも言っておくけど…けど、けど…可愛いよ!りゅう…くっはは!」
「お、お前ぇぇ~~っっ!!」

その姿が、様子が可笑しかったのか、吹き出しながらも、しっかりと感想を述べる自分の顔のアンナ。
止めだった。
竜也はどこまでも少女のような上目遣いで、ポロポロ、涙を零す。

「こんなのぉぉ…こんなのぉぉ…あっ、ああんまりだ!!」

俗にいう裸エプロン。それが今現在の竜也の格好である。
男として、侮辱の極みのような姿をしているのだから、恥かしいのは当然だ。
一見、ワンピースみたいだが、まるで違う。

「こんなの、こんなの…ひ、ひどいよぉぉ…っ」

先ほどのルナの愛撫の影響もあり、乳首がエプロンを押し上げている。
その事実が、逆に危険な甘美を体に刷り込ませていく。
甘く、切なく、じくじくする体。
激怒するつもりなのだろうが、怒り以外の感情に――竜也は、可愛らしく赤面した。

(くそっ~~!! 何だよこの胸はぁぁ!? 弄る側なら良いかもしれないけど、弄られる方は溜まったもんじゃねえぇんだぞっ! うわっ汗が……っ!?)

巨大なGカップの乳首が反り上がり始めたことに留まらず、火照りと発汗が止まらない。
汗のべた付きが、これまた嫌だった。

(そりゃあぁ……アンナもナタリアも美人で、どんな服だって似合うさっ。この裸エプロン姿も非常識なまでにマッチしているさァ――でも)

骨身に染み渡る屈辱の渦――それでもなお感じる。
感じてしまう雌の疼き。
引き締まりながら、やはり柔らかそうなお尻は、これまた、ぷにぷにと弾む。
お伽噺の妖精を彷彿させる手と足も、見られ放題だ。
両手で胸を隠そうが、股を押さえようが、お尻に手を当てようが――逃れられないエロい姿。
それが――『自分』なんだ。
その自覚が、どこまでも深い恍惚に彼を誘った。

(何時も、何時も、なんで俺がしなきゃあいけないんだよおっっ!!)

恥ずかしいと思う気持ちが高まるたびに汗が酷くなり、熱が体に溜まっていく。
肉体の恋慕が、心を締め付けた。
雌の衝動が全身を駆け巡り――

「んっ…!」

ゾクゾクした喜びが、弾ける。

「なんで…俺が……なんで俺がぁぁ…っ…くぅ…っ」

風船から空気が出て行くように、段々と覇気がなくなる声。
後には深い、深いため息一つ。
男とは違う、全身を襲う敏感な疼きが、男としての意識を切り崩す。
と言うか、既に呟きが――。

(んんっ。…独り言すらも、女々しいよぉぉ…も、もうヤダぁ!)

女々しい臭いがした。さらに恥ずかしく、気合が無くなる。

「あ…アンナぁ……そんなに見るなっ…!」

仕方無しに、八つ当たり度150%で睨む相手は、無論のこと『竜也』――いや、アンナである。
もっとも、折角の虚勢も、屈辱に押し潰された最後の足掻きにしか見えず、余計に女っぽい。
涙でウルウルとしたブルーの瞳。
頬を紅に染め上げ、上目遣い――止めに、卑猥な裸エプロン。
そこには完璧な、完璧すぎるほどの魅惑を放つ『アンナ』が、竜也がいた。

「まぁ、似合うから、良しとしない?…しかし竜が入るだけでここまで変わるなんて……正直、女として自信なくすよ」
「お前もかあぁぁ!!…というか、どの口がほざいてやがるうぅぅっ!?俺は可愛くないっ!健気でもないしィっ! 可憐でもないんだあぁ~~~っ!!」

ジェラルド三姉妹の長女ナタリアには可愛すぎる女の子と呼ばれ、三女のケイトに至っては『男たらしの魔性の雌』とまで評された――納得できるわけが無い。
自分は、『男』なのだから。

「おっ、俺は男なんだぞ…っ!? なんで…かわいいんだよ!? 普通におかしいだろ!?」
「いやいやキミは可愛い。可憐なお姫様っていってもいい程、可愛らしいよ?」

そして、三姉妹の中で一番良心的なアンナすらも可燐であることは認める始末。
其ればかりか、竜也が三姉妹の誰かになっている瞬間、その肉体が情欲的に彩られる、とまで力説された。

「だって…だっだって……はず、かしすぎて、おち、つけなくて…自分でもなにっ、やってるのか分らなくて――と、にかく…俺の、せいじゃない!」、

『男』のプライドが傷つき、蹂躙されるほど――『女』が似付かわしいと言われた。
ならば竜也は男として落第を宣言されたのと均しいではないのだろうか。
その証拠のように三姉妹たちは、竜也に汚辱を強いる。
例えば――。

「バニーガールやインテリ教師、メイド、レオタード、水着、ナース、ゴスロリ、貴婦人、軍人、高校生、クマ娘、女王様、魔法少女、ドレス、チャイナドレス、犬娘、中学生、海賊、小学生、婦警、猫娘、そしてゲームキャラの剣士、魔法使い――でも、でもなぁぁ……裸エプロンは行き過ぎにもほどがあるだろうが…ぁ……っ」

三姉妹と言うシチュエーションの為せる業だった.
三姉妹それぞれ――『ナタリア』、『アンナ』、『ケイト』の特性に合わせたコスプレショー、――という名の、着飾り。
ナタリアの体を教師風で飾り立てられた後に犯された。
アンナと入れ替わった状態で、お互いが上司と部下の軍服に着替えさせられて、最終的に交じり合った。
ケイトの場合は、水着に着替えさせた後、あろうことか、自分自身に長女と共に襲い掛かられたことまであった。
アレ――よくよく振り返れば、コスプレしたらセックスを強要される展開ばかりではないか。

「……顔がさっきよりも、赤いよ?――竜」
「あっ…ああ!なんでもない!なんでもないから…っ!」

気付いた時には、前よりも確実に体が火照っていた。 
己の行った淫乱な行動がフラッシュバックされて、イった感覚、淫女の経験、セックスの余韻が身体を貫き走り、脳味噌どころか魂すらも焦がす。
苦痛なほど、『男』を意識してしまう、と――もう手遅れだった。

「い、いや。本当に大丈夫なの?…な、なんなら『相手』をしてあげ…」
「~~うっ、うっさい!!うっさいぃ!!何だかんだで一番多く俺とセックスしているアンナがいえることかよ!?…発情したまま、人のこと犯しやがってっ!!」 

誰もが微笑まずにはいられないほどの、竜也の幼い癇癪。
案の定、アンナは会話を妨げられたことも気に掛けず、極上の笑みで大人の対応……。

「へ、ヘェー…そんなこという? だったら、″あの時″…受身だったのは誰だっけぇー?」

――ではなく、少し子供っぽく憤慨を交えて、その虚勢を崩しに掛かった。

「あっ、アレは…っ! さ、酒のせい…だっ!! お前だって知っているだろ、ナタリアの体がアルコールにメッチャンコ弱いってことぉ!?」
「でも…凄かったよねぇ、″あの時″の私と竜。 私も盛った雄犬のようだったけど、キミも発情期の雌の犬のように体を疼かせて、おっ――尻振っていたよねぇ?」

ナタリアやケイトと違って、あまり経験がないアンナの言葉責めは、甘く歪なものだった――が、ちょっとしたことで三姉妹を、『異性』を意識してしまう不安定な竜也には十分だった。
いや、十分すぎたと言えよう。

「…っちがう!アレは…違う…! お前がっ!! あっいや……だから…お、酒のぉせいで…っ」
「ハハ…照れちゃって、可愛いな。あ、あのさ…実はわ、わた私も、そのその……盛った雄みたいな…気分なんだ。いあ…だからその竜さえ…よければって…話で…そのぉ…キミ…と――ヤラせてくれる?」

戸惑いながらも誘うアンナに気付けなかったのは、彼にとって不幸中の災難だっただろう。
少しの言葉だけで、羞恥心一杯で憂いてしまうのだから、ヘタに反応したら数秒足らずでセックスに至ってしまう可能性が高すぎた。

「あれは…だから…その…んっ…!」

小さな唇も赤くなり、言葉を出そうするが、うまく言い出せない。
思い出すのは、女性という存在を本当の意味で知った、苦く、悲しく――そして、最高だった
夏祭りの一夜。

(はうぅぅ!? あ…だ、メだ。こんなの…ぉ…俺は男…だろォ……ッツ!?)

必死に正気を保とうと、唇を噛む竜也。
ぷっくりとした唇が裂けそうになるものの、淫猥な記憶は彼の脳内で弾け続けた。

「あれぇ…は…はうっ! …あっ…う…ンっ」

ナタリアの体で、竜也になっていたアンナと交わった狂乱の夜。
暴漢に襲われ助けられた際の、鼓動。
森の中を迷った上、旅館に着く前に雨に襲われ、体中が火照った。
仕方なく、近くにあった廃校で雨宿りし、抱き合って体を暖めあったのが、全ての始まり。
拒絶したい過去の愚行が、何故か、甘美に脳を支配する。

(あ…あうっ…嘘だろ?…俺…俺、アンナの言葉だけで……ひぃぃ!い、いやだ!)

アンナの軽い責めだけで、心が大波のように揺れた。
彼の心に反応したのか、胸元の美乳もまた、別生物のように大きく蠢く。
非常に邪魔臭い。
否、――『余計なお世話』である。

(うあ…やめ…てくれ…余計に変になるだろうがっ!お、おっ、お願いだから…止めてくれ!!)

男の身で思うことでは決しってないが、胸は巨乳でないほうが良い。
もっとも、心で毒突きながら竜也は、かなり胸元を責めたてられるのが大好きだったりする。
だからこそ――胸が揺れると、なおのこと体が疼いてしまうのだ。

(ちくしょう……ちくしょう…『お前があまりにも格好良くて素敵だったから』――なんて言えるわけがないじゃないかぁ~~っ!! )

嫌なことほど記憶に残るものだが、どうやら悦楽は魂に残るらしい。
何もかもが出来すぎだった真夏の一夜。
お酒に弱すぎるナタリア・ジェラルドの体では無かったら……。
助け出したのが竜也の肉体に入ったアンナでなければ、例えばナタリアやケイトもしくは見知らぬ人であれば……。
森の中を抜けようとして雨が降り出し、古く不気味な廃校に雨宿りしなければ……。
叶わない過去への思いを抱きながら、心が過去の興奮に戻ってしまう。

「だっ、だからぁ…あ、アレは…アルコー、ル…のぉ…せぃ…なんだ…か、ら」

どうにか伝えた言葉だったが、まるで要領を得ない。

「ふぁっん!あっ…ちが…!?違う…こっこれは…! そう眼に…眼にゴミが入った、んだっ! は、…ハハ……ホント女は涙もろいなぁ」

漏れ出した涙を健気に指で掬う。
量が多くなり両手で交互に滴を拾うが、その仕草も肉体に合わせて色っぽくなることを、竜也には変えられなかった。
体が勝手に最適な行動をするように、精神が巧みに誘導される。
これでは心が肉体を操っているのではなく、体が心を支配しているのではないか。

「う…だから、見るなっ!見るなよっ!!」

ジワジワと竜也は、何かに飢え、何かに怯え、何かに――苛立つ。
時間が薄められている感覚だ。
『時』を長く感じてしまう。

(ンんっ…! …止まってくれよおぉ! なんで止まらない!? あぁ……見てるぅぅ!見られちゃってれるぅうう…っ!!見るなって言ったのに!!)

竜也は分かっていた、分かりきっていた。
女になると、彼女たちと入れ替わってしまうと――怖いぐらいに純粋になってしまう自分がいることに。
男と女の体の構造は大きく違っており、何時まで経っても女の世界は異世界。
大分慣れてきたが、些細な拍子でどこまでも狂ってしまう――狂えてしまえる、『世界』。
世界相手では、彼の意思など無いに等しかった。

(おかしいのかっ!おっ 俺の方がぁ…悪いのかあっ!?)

数ヶ月前までは――少なくとも最初の性交から暫くは、この狂行を彼女たちの体がいけないと責任転嫁がスムーズに行えていたが、今は違う。
ちょっとした相手の仕草でくらっ、と気絶してしまいそうな頭――精神、心。
そして、魂。
甲斐甲斐しく尽くしたい衝動に駆られるがまま、彼女たちに従ってしまうのだ。

(やっぱり…んあッ…こんなのぉぉ…オカしいよぉ…おかしすぎるウゥっ! …何でこんなにも切なイィんだああぁっ!?)

体を入れ替えられて自分自身の肉体とセックスをしたくないという気持ちと同等。
否、それ以上に――男に、『唯川 竜也』になった三姉妹の誰かに、女になった己を犯して欲しいと、一つになりたいと、切実に祈る本性が自分にはあった。
もしかしたら三姉妹の誰よりも、いい様に弄ばれている己こそが、この逆転プレイを望んでいたのではないか。
いや、否定しようがない。
特にアンナ相手では――。

(んっ…あ、はぁ…んんっ! くああっ! …ああん!)
「んっ…はぁんん」

少し言葉攻めされただけなのに泣き出してしまうほど、心をかき乱された。
吹き上がる情欲が、まるで灼熱のようで、意識が遠のく。

(うンっあっぁぁああ!!?……何で!?……どうしシテ…こんなに胸が熱い…あついんだよ!? ああ…っ、乳首が、ちくびぃが…痛ぃ、切なすぎて…もう俺…俺は…っひぁん!!)

唯川 竜也であり、男でもある筈なのに、竜也は彼女の肉体で恍惚を感じて始めていた。
それこそ興奮を、否、発情を隠し切れない程に――。

(うそだぁ!お、俺は…感じてなんか…!アンナの言葉だけで…興奮なんてしていない!!)

自戒できないエクスタシーに、竜也は蝕まれていく。
抗おうとはしいている。
だが、心が痛くなる半面――快感に近い感情を抱いてしまっていることも、事実だった。

「んんっ…だから、これは違うの、お…ぉ」

構われている事実に嬉しがる肉体。
拒絶の気持ちと、欲情する気持ちが見事なまで絡み合って、何をどう切り出せばいいのか。
どう反応すればいいのか。

(乳首がっ!股間がっ!へ――ヘンになるううぅっつつ!?)

既に、彼は自分の行動を深く考えることが出来なかった。

「み、見るなっ…はくんんっ」

だからだと、本人は思いたいのだろう。
聞くのが恥ずかしい、と言うか、気まずいほどの盛った声を張り上げてしまうのは、混乱しているからだと――『正気』ではないからだと。
心から快感を求め始めていると認めるわけにはいかない竜也。
目を硬く閉じ、左右の手で両肩を抱きかかえると、一際大きく震え上がった。

(ふぅ…っええぇ…っ!!)

今までの、『男』としての経験が全く役に立たなかった。
女性化している自分への恐怖も、女のエクスタシーに圧倒されるばかりで、やはり心地よく感じてしまう。
このままずっと、どこまでも――と、竜也は激しく身震いし、こいねがった。

「…っ…ホ、ント…ちがう!…ちがうったら、そ、そうだ…こんな格好だから…変な気分になっちまうんだ…!」

遂には無機物にまで責任転嫁し、着替えようとする竜也。
そうしなければ精神が――自己嫌悪で――死にそうになってしまいそうなのだ。

「しょうが…ないなぁ」
「わぷぅ!?」

そんな虚勢を見抜くのは、さしえ難しくもなく、アンナは感情が命じるがまま、行動に移った。
ここで『竜也』でいるのが、ナタリアだったら、ディープキスか、乳房の圧搾。
ケイトの場合なら、人類の未来に役立つこと確実な発明品を己が欲望のために、SMプレイに費やすことだったろう。
しかし、今、竜也の体であるのは姉妹の中で、体を交換した状態での性交が一番多いものの、一応はまともなアンナ・ジェラルド。
従って、『彼』になっている彼女が取った行動は――。

「ちょぉぉっ?! …っ…ちょっと!!」
「どうどう、……落ち着きなって! こうしていると落ち着くだろ?」
「――っつつ??!!」

ハグだった。セクハラなしの優しい触れ合い。
散らばっている軽装を拾おうとしていた竜也を、手早く且つ、丁度いい力加減で抱き寄せた。
実に手際が良い。
『抱き合う恋人』のような光景である。
外見上は健全だが、中身のあり方は激しく間違っていると言わざるを得ない状況だった。

「わ、わわっぁぁ…あああ!? ちょっ、とおお!!」

薄い布地ごと硬い男の胸の圧迫される胸元。
苦しくてしょうがなかったが、すかさずアンナが力を和らげる。
そうなると、軽減した痛みすらも好ましいものに感じ始め――自ら、ぷにゅりぷにゅり、胸を潰したくなった。

(うっわぁぁ~~っ!? 何してくれてるんじゃあぁぁ、このっ…アマぁぁ!?)

今まで翻弄された解明不可能な感情ではなく、おそらく万国共通の感情―――『恥辱』が、
竜也を包み込む。
気のせいか、湯気すらも出ているようで、妙に、否、確実に体が雌くさかった。
アンナに悪気はないのだろう。
彼女にして見れば、混乱し、錯乱し、終には泣き出してしまった彼を慰めただけなのだろう――が。

(ああぁぁ…っ!バかぁ?バカぁなのか!?気付けよ!そこまで鈍くないだろうがあッ!? わ、わワザとなのか!?――お前も俺を苦しめるのか~~っ!)

裸エプロン姿で抱き付かれている『アンナ』――な、竜也。
幾ら相手のアンナが服を着ている状態でも、『異性』を意識しないほうが異常であった。
女性の体は、繊細で、敏感なのだから。
雄と雌のくっつき合いに、脳みそが情欲に侵されてしまう。

「んっ…あっ…んん…こんなの…ないよぉ…あんっ」

どう考えてもゴツゴツしているのは抱いているアチラ側で、プニプニしているのがコチラ側。
匂いすらも鮮烈で、むわっと、脳を揺るがす。
弾力の感覚だけならナタリアの其れよりも、アンナのほうが竜也の好みだった。
そして、その大型野獣を彷彿させる乳房は、今や自分のもの。
乳首の痺れも――彼のものだった。

むにょん、むにょん.――っ。

音すらも淫靡な乳房。
他の部分も大変なほど敏感で、気持ちいいが、やはり胸が凄い。別格である。

(んもおォォっ!? 何でこんなに気持ちイイんだよっ!?ナタリアたちのおっぱいが、びびびんかんすぎるううぅ!あっ、ァあぁぁ~~ッ!!)

少し前まで――ほんの少しまでナタリアはFを越えてG、アンナはCからEだったのが、現在では、ナタリアは脅威のIカップ、アンナはGカップ。
漫画やAV女優でしか見られないようなアンナの巨乳が、極上の性感帯となり、理性を奪う。
胸の肉の反響が全身に回る。
体温が、一気に増加した。

(ンんんっ………やば、イ…ぃ……本気で…やばイィィ………あんんっ!)

体を包んでいる相手の暖かさに、あるいは安心感に、無理矢理逆らおうと手足をバタつかせている『アンナ』。
さながら動物病院に連れてこられた小型犬である。
キャンキャン――と、煩く吼えているので、尚更であった。

「やめろッ…だから離せっ!!…このっぉ離せっ!ちょ……本当に…無理だから!!謝るから…!…ゆ、許してぇえ!」

一般人である竜也がアンナの肉体を使う場合――『気』を、肉体を交換すると言う摩訶不思議な現象を引き起こせる力を持っているアンナ相手では、無力に均しいのだ。
どうすることも出来ずに、竜也はアンナに、ハグされ続けた。

「おーよしよし、大分落ち着いたかな、キミ?まぁ…察するけど其処まで悩むな……って言うほうが無理か…何にしても少しは元気でた?」

心配する気持ちは有難いが、慕ってくれているなら早く戒めを解いて自由にして欲しい。
もう涙など吹き飛んだのに、ちゃっかりとアンナの両手が体をホールドしている。
尚の事、というか、余計に離れられない。

(こぉ~のぉ~~、ぶッふぅぅ――ッ!?)

もう一度、叫び出そうと最大限に息を吸い込んだのが、竜也の命取りだった。
半分以上も彼女の胸に埋まっていた状態だった為、彼女の、『彼』の臭いを無防備に嗅いでしまったのである。
内からも込み上がって来る、男の臭いが、鼻腔を擦る。

「んん…はくっんんっ…もう…む、むりぃ」

『竜也』なアンナと、『アンナ』な竜也の発汗。
鼻に押し寄せる臭いの嵐に、竜也は足腰の力を奪われる。
が、それを不快に感じない。
そして何を思ったのか、目の前の彼の体を引き寄せ。

「……くぅんんっ!!」

自身でも行動の理由に戸惑っているようだが、数秒の沈黙の後、竜也は至極幸せそう表情で彼女の胸に顔を埋めた。

(ちくしょ…ぅ……ドックン、ドックンしちゃうぅぅ…やっぱり、めちゃくちゃホッとする! ……、うぅヤダ…ぁ……濡れてきやがった…でもでも…ぅううっ!!)

高揚が、止まらない。
ただ巨大な美乳を硬い胸板で押し潰され、腰を中心に手を添えられただけ。
だが、それは全身を残さず、愛してくれているような錯覚を引き起こす――雄の抱擁だった。
それだけで理性は負け、竜也は肉欲の奴隷と化した。

「あ、あの…アンナ?」
「ん……?」
「あ、あの…その…」

己が感情を完全に受け止めた彼は、全身で心境を体現する。
心臓の鼓動は恋する乙女。
体も苦しく、心も切ない。

(はずかしい…けど、ぉ…ぁ…疼き出したら…止め…られるわけがっ…わけがないじゃないかぁっ…!)

今すぐにでも股間の空洞を弄りたくて、仕方がなかった。
数分後どころか、数秒後にでも盛って自慰を始めてしまいそうな竜也。
そんな相手を抱きしめているアンナは、またも彼の――『彼女』の心境が分ってしまい、言葉を漏らした。

「もしかして、キミ…発情してる? …私の言葉と、抱擁だけ…で感じちゃったの?」
「――っ!!」

いや、漏らしてしまったと言う方が、正しい。
疑問系なのに妙な確証を持って問われた台詞に、竜也は極限まで――感じた。

(どうしてこうもデリカシーがないんだよぉ!!ううっ…だけど…もう…もぅ…どうでもいい!)

涙は流さなかったものの竜也は、動揺した青い瞳と赤面の顔で、アンナに――己の顔をしているアンナ・ジェラルドに――コックン、コックン、と顔を動かし、首肯する。
そうなれば、もうアンナも遠慮がない。
嬉しそうに、腕の力を強めた。

「良かった …じゃあいいよね? わ、私も……限界…だし」

あくまでも同意を求める姿に、他の姉妹たちにはない『思いやり』があった。
愛情が波打ち、ドキドキが高まる。
最後の詰めと、決められた純粋な笑顔に心が奪われた。

(何て顔して尋ねてくるんだっ。 こっ、このっ!断れないに、決まっているじゃないかあっ!)

『男』の性に呑まれていくアンナと、『女』の性に支配される竜也。
微妙に違うが、限りなく近い立場である二人だからこそ、奇妙な絆と安心が二人にはあった。
だからこそ――竜也はアンナの場合だと、他の二人よりも無防備に成ってしまい――今回のように直に『その気』にさせられたのだ。
すっかり、色気を纏う女性と化した竜也が掠れる声で、アンナに返事をする。

「…やぁ…しく……優しく…っん……」
「え? 何?」
「優しくしてくれる…なら…してもいい…よ」
「――っ!?」

その時の竜也を、『アンナ』を何と言い評したらいいのだろうか。
それを目撃したアンナの、『竜也』の気持ちを、どう代弁したらいいだろうか。
恐らく誰にも分からないだろう。

(…言っちゃったっ!でも――無理だ!!むり、むりっ、無理ィ――!!これ以上は我慢なんて…ッできない――っつ!!)

もはや、竜也もアンナも我慢しない。
――『彼女』は『彼』を受け入れた。

「それじゃあ、…いくよ、竜…」
「ンんっあっ……むぅ、ンン…いいッ…!」

軽く胸が揉まれた。電激の進行にバリエーションが一気に増え、思いも膨らんだ。

「キミが感じてくれると、私も嬉しいよ……っ」
「ふあぁ…ン…!おま…クふ、ん…お前えだって…そこをビンビンさせてるじゃないかぁ…」
「ぐぅ…っ! た、確かに!……ちゃっと待って、て…」

ジーンズの裏にいる怪物がびぐんっと布地を押し上げるたびに、アンナの顔が苦悶に変わる。
無理も無い。
これだけ膨張していればジーンズは、下着は拘束具でしかないのだ。

(あぁぁ…感じてくれているゥ…っアンナが…お、ぉ…俺に…感じてくれてるんだあ)

愛液が陰唇を越えて粘つきながら足の中間にまで垂れてきて――竜也は、相手を喜ばしている実感だけでイってしまいそうになっていた。

(ダ、ダメ、だ。 我慢しなぁ、いっ、とお……あぁどうしよう。 こんなに濡れちゃっているっ。…ンっあっ!うっ…ウズぅくゥゥ…んくうっ…)

アンナの方を見ると、どうやら彼女も異性の衝動にアタフタしていた。
未だにズボン一つ脱げられていない。
そんな様子がとても微笑ましく、棄ててしまった男の意地が盛り返す。

(か、かわいい…ってだからっ…んあっ…あれは俺で…男なの…にい…っ!)

無論、身勝手な思い込みなのは竜也も理解しているが、それでも愛しく、守ってあげたくて――どこか誇らしい。
性欲とはまた違う、人間的な甘い感覚。
ナタリアとケイト相手では、ここまで強い母性本能は沸かないだろう。

「ほらっ……何やってるんだよっ」
「あっ……ありがとう………ンむうっ!?」

アンナに対する感情は特別だった。
いや、特殊と言うべきか。
竜也は、彼女のズボンを脱がすのを手伝うと見せかけて――その唇を奪った。
奪ってやったのだ。
カッコイイのに、どこか愛らしい、その顔の唇を。

「むんっ…ん、ンン……ぷはぁっ…奪っちゃっ…た…っ」
「うっ、奪っちゃった、って……りゅっ、竜ッ?!」
「やっ…やるならぁンっ…早く…して…よぉっ…もう俺、おかしくんんっ…なってるんだ…もんっ」

感情に触発されて、アンナの唇と、自分の唇を合わせてしまった。
背筋を走る背徳感と欲情のコラボレーションが、最高に性欲を奮い立たせる。
これが女の高揚。
これが女の――愛し方。心音が、既に爆弾みたいである。

「むう…っ。 竜がその気なら……っ!!」
「え―っ? きゃふっ!? ひふぁああ!?」

――が、どうやら唯川 竜也の体でいるアンナには、竜也が放棄してしまった男のプライドが備わっていたらしい。
弄ばれたことを爵に感じたのか。
彼女は今度はコチラのターンとばかりに、竜也の片腕を巧みに絡み取ると、近くの大きな窓ガラスに、彼を押し付けた。
メチャクチャに、痛い。

「きゃうぅ!や…め…っん!い、いたい!あっああ…いや…だぁ!」

アンナ・ジェラルドの美しい体が、厭らしくビタリっ、とガラスに張り付く。
勃起した乳首が限界までガラスに押し込まれ――これだけ興奮していたんだぞ、と罵倒された気分になる。
いや、それ以前に熱く篭った肉体に、ガラスの冷たさが極悪すぎた。
快感よりも強く肌を打つ辱めから竜也は、早々に後悔する。

「何っを!? んっああ!…なにいをす、るんだよぉ!アンナっっ!!くぅ…んんっはんっ!!」
「お返し…!優しくするって言葉に、まだ同意してないだろ?だから私も今日は姉さんやケイトみたいに――は、ちょっと無理だから、それに近いぐらい激しくするから覚悟しな」
「そん、なぁ…ひあゃィ!やんっ、…ひィッ!やさしくっ、してぇよぉ!あっ、…んん、あァ―んっ!」

片手をねじあげられ、姿勢も最悪の状態では反逆できる訳もない。
意思を伝えようとするも、波打つ快感にタジタジに拡散する。

ぐにょ、むにゅん、じゅりり、ぐびン、ぶるっり―――。

背中から加えられる力に、巨大な乳房が卑猥な音を立てて、ガラスに埋もれていく。

「あひぁぁ!ヤダっ、ヤダあぁッ!! ひゃあん…ああっあ、……やめてよお…あっ、…やあっんん!!」
「ふふ…謝ったら優しくしてあげるよ?こんなの嫌でしょ?怖いでしょ?」

むぎゅ、むぎゅ。

重たいくせに大きいくせに、簡単に歪み痛みを発する巨乳を、竜也は憎んだ
――が、凄まじい速度で、その痛みや恥かしさを上回る快感が体を駆け巡った。
溜まらず口を噤んでも、漏れ出す悲鳴は空気を媒介に具現化する。
唾が緩やかに頬伝う。
響き渡る美乳の変形音と恥かしいほど盛った雌の声に、竜也は禁忌の快感を味わう。

(ひぁっ、ああ!あっああ!で、でもぅ…でもおっ…これえ…あふんっ!…んあっ…イイかも…ンふっ……!ああ俺って…やつはっ!あっあっ…でも…アンナなら、いい…っかも)

流石に、これはちょっと――と思いつつも、股間にある肉穴は男を求めて、暴れている。
恥辱が、いい感じに体を暖め、そうなると意固地な自分が馬鹿げてくる。
この際、痛いのも、恥かしいのも、受け止めよう。
竜也は一瞬だけ目を閉じると、涙と共に見開き、背後にいるアンナへと言葉を送る。

「アっ…アンナっん…が…やり、りたいならっ…いいよっ…もう!いいよおぉ…っ」

ぶにゅぶにゅ、乳房を潰されながら、必死にアンナの顔を見ようとする。
見ると、見ないとでは、胸の高まりが段違いなのである。
自分を見て貰うことに安心し――『メス』の自分を見て貰うことで、竜也は興奮した。

「きっ…聞いたからね!…竜が嫌だっていってもヤルから……ねっ?」

どうやら彼女も脅しのつもりが――本気になってしまったらしい。
アンナは言葉以上に腕の力で応えた。

「くひぃっ!あ、ああん!」

乳と頬に掛かる圧力が増すと共に痛みも激しく体を襲う。
そして一層に彼の体は火照った。

「はんっぅ!…だっ…だい、じょうぶぅ…だ、大丈夫――だよっ…んんっ!」

大丈夫――な、訳がない。
唯川 竜也である筈なのに、その『唯川 竜也』に犯される絶望感。
内部に挿入され、無慈悲に蹂躙される屈辱。
挙げたら切が無いほどに――やはり、『女』としてのセックスに怖い。
怖すぎた。
しかし、それと同じくらい不思議な安堵が、体に満ちている。
故に、竜也は抵抗しないし、アンナも暴力を和らげようとはしなかった。

「行くよっ!」

『竜也』は『アンナ』の体を暴力で支配したまま、その恥部にペニスを突き刺し、ぶじゅりッ!
と――貫いた。
体が引き裂かれた、と思うほどの凄まじい痛み。
竜也は悲鳴を上げた。

「んひぎゃああァァ――っ?!ぎっあぁッ??! いたいぃぃ!ひぅ!んんっ…!!」

徐々に挿入するなどをすっ飛ばし、勢いよく肉の武器が膣を豪快に進んでいく。
激痛の襲撃に竜也の腰が浮かんだ。
あまりに唐突な衝撃に、イク感覚も付いて来られない。
瞼では星が爆ぜて、真っ白になる。

「くうんんっん!…ヒっ…クズ、ん……痛いっよぉぉ!…んがっあっ!グスっ…あっン! 強いよぉ!…っ…おな…しっ子宮がァ…オカシぃぃ、ク…なっちゃウゥゥ!ひぅん…っ!!」
「我慢しなさい、男の子でしょ!」
「ひぁ!やああんんっ!あ、あんんっ…ひぁぁ!」

擦れる肉と肉との感触が、精神を吹き飛ばす。
ますます肺の空気が熱くなり、目の前のガラスが曇った。
そして曇った場所から、生々しい臭いが、発情期の雌猫の臭いが、鼻腔に立ち上る。

(もうダメえええぇ!俺…おれぇぇ――わたしぃぃ!あっひぃぃぃ!!)

巨大乳の乳首が、さらなる刺激を求める。
見ていられないほど、竜也は顔は崩れた――というか、蕩けきった。

「うっふふ…。ナタリア姉さんの言い分じゃないけど嘘吐いていない?」
「ンぁあんはぁっ!…ゆうっぐりぃぃ…壊れちゃ…ァアヒぁっ…あっヒァ…んぅっ…んあっ!」

股間が、押し進む怪物を押さえ込もうとするが、アチラの方が強かった。
限度を越えたハチャメチャな喜悦が、マグマのように極熱である。
意識が飛ばないほうが、不思議だった。

「そう、言いながら……凄いよ。今の竜の顔――ほら、キミも見なよ」

促されて、真正面を竜也は見た。
そこにあったのは、立派な女性で、雌の顔。
その瞬間、痛みは取るに足りないものへと変わっていた。

(あっあぐひぃあ!?そ、んな…わた…しぃ!あ…ああ!!俺…おれぇ、痛いのにぃぃ…こ、こんなこと…されてるのに…んんぎぃ!あっ!喜んじゃってるうぅ!感じて…感じてるよぉぉ…っ)

ガラスに映った竜也の――『アンナ』の表情は力一杯貫かれたことに、ご満悦である。
蒼い瞳が不安と苦痛に歪みながら、ぼんやりと喜んでいるのが、良く分かった。
もう絶対だ。
逃げられない。逃げられるわけがない――逃げたくないっ!!

「どう…?感じていない……表情じゃないよね? 私も気持ちいいし――いいよね?」
「くぅあは、ァんんっんぁ…よくっない!…け、けど…ああ!ま…らめひぃ、はんッんぐンン!!」

力強く、打ち付けられるペニス。その度に別世界に旅たつ。
既に感じすぎて、ガラスの支えがないと、本気で肉体が壊れそうだ。
股間から、『竜也』と『アンナ』の分泌液が零れる。
足元を、ふとももを、そして床を、淫靡に汚していった。

(なんでこんなにも気持ちいいンだよおおぉぉ!!痛いのにぃぃ、…痛いんだけどもおぉ、…ぉんんああ……ンっ!!)

あくまでも外見はアンナ・ジェラルドである――が、中身は唯川 竜也。
今や、彼は完全に彼女の体に支配されていた。
全身の火照りが、もはや自然発火してしまうほどの勢いで燃えている。

「んあ…きゅうぅ!きゅっああっ…!!」
「うわ…こえが、キミ…イヤらしすぎるよっ」
「だっ…だってえぇ…あっ…ひぃあんっ!は…んんっ!」
(…チっちちが、熱いィィ!!揉んで、揉んでっ…もう全身、いじってぇぇ…っ!!)

竜也は火照る美乳を揉んで欲しいと、お願いしようかと本気で悩んだ。
硬い障害相手に、二つの乳首、二つの美乳が、何度も何度も健気に起き上がろうとする。
弾力の力強さにガラスが軋むかもしれないと、思ってしまう程だ。
股間に至っては、雌蜜が泡立っている。
それを後のお片づけなど考えずに、外に排出していく。
尿意すらも沸き立つ。
むしろ、恥かしさを喜悦に感じているようで、竜也は遊ぶようにペニスを受け入れた。

「あぁ、出すっ、出すっよおっ!!」
「あっあっ!!あっ!イくぅ!イガされ…んむっ…すごィィィィッ!!イイ―っ!んむァッ!…ヒャあぁアアァァ――っ!!」

どぴゅ――ッ!ど、びゅびゅうううぅ!!
子宮が白く汚され、熱き子供たちを一人でも多く拾い上げようと股間が、お腹が蠢く。
竜也の魂が入ったアンナ・ジェラルドの陰部からスペルマが溢れ返り、愛液とよく混ざる。
脚で立っているのに、大空に放り出されたようで、不安でならなかった。

(わぁた、しぃぃ…ほぉ…おか…しくぅ!…んはあっ!んん…また汚され…ひぃんっ!)

眼前のガラスには、弱弱しく息をしている雌と荒々しく息継ぎしている雄が映し出されていた。
無論――メスが竜也で、オスがアンナだ。
でも、イった後でも拒絶心は無かった。
むしろ、ますます交わることを望んでしまう。
もっと、もっと――と、力に任せて犯して欲しかった。
つくづく竜也はお腹の奥に精液を注ぎ込まされるのが好きなように、調教されていたのである。

「は…はうんっ!んっ…ああっ!」
(ふぇっ?お…お尻が…うごいちゃううぅ、ぅ――っ!!)

衝動が止まらず、満たされないことも我慢できない。
時間など関係なく彼は、アンナの体が満たさせるまでセックスを望む所存だった。
簡素な深呼吸を一回するだけで腰が、自然に動き始める。

「ハァ、ハァァ…フゥ!男って凄い…って!キミ!?まだ…やるの?わ、私も…やっ、ぱりぃ――したいっ!」
「あっきゅううぅ!いっ…イイイっ!あ…あひっ!んんっ…!」

男に成り切るアンナも欲望も、止められなかったらしい。
理性など、生物の神聖な奉りごとの前では――どうとでもなるのだ。
本来の性別とは違うのに、二人は普通に交わり続けた。

「っンンぁ!…イぃ―!!イイ―っ!! ああん!もっ、と…ん、…もっとっ…お、かしてぇ…っ」

収まりきれない絶頂を慰めるべく、竜也は再び異物を心で――無論、股座でも――受け止めると、腰を上下に動かした。
肉同士の触れ合いで、お互いにまだまだ満たされていないことが、よく理解できる。

元より――、一回で終わるわけがなかったのだ。

「クスス。 やっぱこうなったか~~♫。うん、計算通り。この映像でまた借り一つ増えたね、お兄ちゃん。…ああっ… あんなに喜んじゃって…っ。淫乱過ぎるよおぉ~~っ!!」

ルナのカメラより、別室で一部始終を見ていた魔王――こと、ケイト・ジェラルド。
彼女は可愛らしい水玉のパジャマ姿で、彼らの淫行を見守っていたのだ。

「何にしても仲良し家族計画は順調だね。ふぁ…記録はルナに任せてもう一度寝よ。どうせ後2、3時間はやってそうだしィ……」

もっとも、流石に小学生には――夜遅くまで、竜也用の悪戯グッズを作成していたこともあり――この時間はきつかったのか。
すこすこと、ケイトはベッドに向かう。
無論、竜也もアンナも、お構いなしにセックスを続ける。

『ひぃぃ!あっああ!!んっ…ひょおお!?』
『あはは、どう?こんなのもいいでしょ?』
『いぃ、イイ…最高で…すううぅ!あっ…ひぃひああ!!』

自分たちの知らない裏側で、何が起こっているのかも知らずに、画面の中の二人は――
『竜也』と『アンナ』は、お互いを愛し合っていた。

<つづく…?>

Posted by amulai002