【投稿小説】男子高校生だけど、スーパーヒロインとして宇宙で戦うことになりました。前編 ~コズミックピーチ・モモノ参上!~
麗音(レイン)さんから投稿して頂きました!イメージイラストはつぎさん♪

今これを読んでいる貴方にとっては、少しだけ未来の話。
月面開拓が実現し、ごく少数ながら一般人の移住者も現れ始めた時代。
この頃になると宇宙旅行が一般的となり、その中でも月は富裕層の観光地として人気を博していた
。
観光需要の高まりに応じて、地球と月を結ぶ旅客宇宙船の運航も始まっていた。
「zzz…」
そんな月行きの旅客宇宙船の客室で、僕はうたた寝をしていた。
僕は猫園 百弥(ねこぞの ももや)。
地球で高校に通いながら、かたや科学者としていくつかの宇宙開発のプロジェクトに関わっている
。
自分で言うのも恥ずかしい話だが、世間では知る人ぞ知る天才高校生、ってところだ。
この日は月面の新たな開発予定地の地質調査に立ち会うため、月に向かう途中だった。
調査目的とはいえ、招待を受け高級旅行と同じ体験ができるのはちょっと得した気分だ。
上機嫌で気持ちよく眠っていたときに、事件は起こった。
ドンッ!
「ん…」
唐突に聞こえた大きな音と揺れに、長旅で疲れていた僕も流石に目を覚ます。
「なんだなんだ…?」
寝ぼけた意識のまま客室の戸を少しだけ開け、灯りのついた廊下を恐る恐る覗き込む。
しかしその眠気は視界に入ってきた光景によって吹き飛ばされた。
「きゃあぁぁっ!」
地震のように揺れる船体、逃げ惑う乗客。
激しい揺れのあまり転倒する人もいた。
ドンッ!ドンッ!
窓の外から、繰り返し船体に体当たりする怪物の姿が見える。
体表は灰色の岩石のような物質で覆われ、大きく開けた口から鋭く尖った無数の牙を覗かせている
。全体的なシルエットとしては恐竜やドラゴンのような姿だ。
怪獣、というほど巨大ではないがゾウくらいのサイズ感はある。生身の人間が体当たりされたらひ
とたまりもないだろう。
「グオオオオオオオッ!」
本能のままに暴れる怪物の咆哮が、船体を振動させ伝わってくる。
間違いない、アイツは…
「カオティック…」
カオティック。
最近、太陽系に振り注ぐようになった未知の宇宙線が生物や様々な物質に当たり、反応することに
よって生まれる怪物の総称である。
宇宙空間内でも生息できる生命力を持っており、地球・宇宙問わず大きな脅威となっている存在だ
。
おそらくこいつは、月の岩石との反応で生まれた個体だろう。
「誰か、宇宙保安庁に助けを…!」
「バカ、そんなすぐ来てくれるような距離じゃないだろ! 丸1日はかかるぞ!?」
「こんなときコズミックピーチが来てくれれば…」
「何よ、そんなのただの都市伝説でしょ?」
乗客たちは完全にパニック状態だ。
「…仕方ないか…」
こうなったら、僕がやるべきことはただ一つだ。
客室の扉を閉め、誰にも見られていないことを確認する。
「…よし」
首に掛けているペンダントに左手を開いてかざす。
次の瞬間、僕の意思に反応するように、ペンダントにはめ込まれた菱形のクリスタルが、桃色の光
を放ち始める。
そして叫ぶ。
「トランスブルーム・ピーチスパーク!」
____________________
ペンダントから激しい光が放たれ、眩さに思わず目を瞑る。
光は次第に僕の周りを満たしてゆく。
気づいたころには僕は光で満たされた空間にいた。
寝間着として着ていたTシャツと短パンもいつの間にか消え、異空間の中に裸のまま浮かんでいる
。
「っ…/// 胸が…熱いっ…///」
胸のあたりが疼き、急激に熱くなり始めたと思うや否や、ピンク色の蕾の形をした光が浮かび上が
る。
先の尖った球形をしており、地球に咲く桃の花の蕾そっくりだ。
「ぁ…/// 開く…っ…!///」
蕾がゆっくりと開き始める。
「っ…!!///」
中から解き放たれるようにエネルギーが放出され、空間内が桃の香りに満たされる。
その香りがこれから僕の身体に起こることを予感させ、恥ずかしさと微かな高揚感を喚起する。
「ぁ…始まる…っ///」
完全に開花し、星型となった花から放出されたエネルギーが全身に行き渡り、僕の身体を少しずつ
変え始める。
「ぅぅっ…///」
体付きが少しずつ細くなってゆき、身長も数cmほど縮む。
「あっ…///む、胸が…あぁっ…!///」
ピクピクと全身を震わせながら、平坦だった胸が膨らんでゆき、立派なバストサイズへと急成長す
る。
「んっ…///太もも…///♡っ…///♡それにお尻も…///♡」
胸に続くように太ももや尻が膨らみ、全体的に丸みを帯びた体付きになってゆく。
体付きの変化にあわせて、声も少しずつ高く変化する。
「ん…///♡」
髪が少しだけ伸びて、すっきりとしたショートボブに整えられる。
「あぁっ…!?///」
直後、息を入れる暇もなく、今度は下半身に強い熱と疼きを感じ始める。
「ぅ…///ぁ…///あぁっ…///」
僕の奥底から何かが湧き上がってくるような感覚。
内側からこみ上げるソレを受け入れ、解放してしまえば、僕はもう「僕」ではなくなる。
どこか後戻りできないような感覚。しかし躊躇いも背徳感もない。
「あっ…///来る…っ!///
…ぁ♡」
僕の「オトコ」がすべて流れ出ていくような感覚を味わったのも束の間、今度は股部が縮んでゆき
、
「んんっ…///♡お腹が…///♡」
キュンッ、と腹部が締め付けられるような感覚と共に、縮んだモノが反転するように穴となる。
「僕が…///私が…♡変わっちゃう…っ///♡」
下半身の変化に連動するように、ショートボブの髪がピンク色に染まりる。
そしてそれがまるで私の心を染め上げるように、男だった「僕」の精神が「私」へと転換してゆく
。
「はぁ…♡///はぁ…♡///」
身体の変化の終了を心なしか待ちわびていたように、光の空間に菱形のクリスタルが再び現れる。
ネックストラップはついていないが、変身前の僕が首からかけていたのと全く同じものだ。
「ん…♡///」
クリスタルは私のもとへ浮かんだまま近づいてきて、まるで磁石のように胸元にピッタリと張り付
く。
「んぁっ…///♡」
思わず小さく声が出てしまった。
「っ…///」
クリスタルから無数の光のリボンが解き放たれるように出現した。
それらはまるで生きているかのような動きで纏わりつき、私の身体を覆ってゆく。
「んんっ…♡///」
ギュッ、と軽く引き締められるように、リボンが私の身体にフィットしていく。
「んん…♡///」
変化の直後で少々敏感になっている今の私の身体には少々刺激が強いようで、どうもこの感覚には
未だに慣れない。
「んんぁ…♡///」
思わず、今度は少し大きめに声を漏らしてしまった。
「うぅ…///
やっぱりちょっと恥ずかしい…かも…///」
誰にも見られていないとはいえ、どうしても羞恥心が湧き上がってきてしまう。
光のリボンは凝縮されるようにまとまってゆき、ピンク色のボディスーツ状に姿を変えてゆく。
地球上のどんな素材にも似つかない、強度と伸縮性を併せ持つ素材だ。
スーツの生成が終わった私はお尻の方へと意識を向ける。
「ん…///」
まるで生えてくるかのように、スーツのお尻の部分に尻尾のようなモジュールが生成される。
これは私の身体に膨大なエネルギーを供給するための、尻尾型のエネルギー炉だ。
「んっ///」
お尻に、ビリっとした感覚が一瞬走る。
尻尾と私の身体が接続され、リンクした印だ。
強化スーツを着ている間は、私の身体の一部となって身体能力を大幅に強化する。
ここまでくれば、変身も大詰めだ。
両腕をクロスさせると、白い手袋が両手に現れる。
その両手を天に掲げると、さらに猫耳のようなモジュールがついたヘルメットが出現する。
両手でヘルメットを掴み、勢いよく装着する。
「っ…///」
装着時、今度は頭頂部に同様のビリっとした感覚が走る。
この猫耳も拡張身体部位として私の体に接続され、五感を大幅に強化する役割がある。
自分の身体と一体化したことを確認するように、私は猫耳をピクピクと動かす。
「よし…!」
変身が完了した頃、船外の宇宙空間に桃の果実のような形をした光の玉が出現した。
私は意を決して、右手で手刀を構える。
「はぁっ!」
手刀を思い切り振り下ろす。
光に包まれた空間が引き裂かれ、上から真っ二つに割れるように外の景色が見え始める。
桃から生まれた桃太郎のように、光の桃を割って、私は今、生まれ変わる。
そう、私こそが…
「コズミックピーチ・モモノ、参上!」
____________________
宇宙空間に飛び出した私はカオティックと対峙する。
カオティックは私の方に振り向くと、一目散に私の方に突っ込んできた。
「はっ!」
体当たりを右に避けて躱そうとしたその瞬間だった。
「きゃぁっ!?」
敵はすれ違いざまに、その硬質な尻尾で私を丸めとるように掴んできた。
「しまった!?」
体当たりはフェイントだったのか。
「ゔっ…!ぐぅぅっ…!」
岩石に覆われた尻尾で、カオティックは私を締め付けてくる。
変身するときとは訳が違う、明確な殺意のこもった締め付けだ。
「くぅっ…こ、こうなったら…!」
意識を集中させ、エネルギー炉で生成される力を身体じゅうに蓄積する。
「このーっ!離れなさーい!」
身体に溜まったエネルギーを一気に開放し、敵の尻尾を思い切り振り払う。
「えーいっ!」
そのまま敵の尻尾を掴み、宇宙船の船体とは反対の方向に投げ飛ばす。
変身する前の、どちらかというと運動は苦手な自分からは考えられないような怪力だ。
カオティックは無重力空間の中を、投げられた方向に真っすぐ飛んでいく。

「これくらいの大きさなら!」
相手が体制を崩しているうちに、一気に決めてしまおう。
「ピーチブラスター!」
掛け声に呼応するように虚空から現れたエネルギー銃を手に取り、引き金に手をかけると、エネル
ギー炉である尻尾から、胸のクリスタル、両手、両腕と伝って銃へとエネルギーがチャージされて
ゆく。
「ネクタリウム・バーーースト!」
引き金を引き、カオティックに向かって光線を放つ。
態勢を立て直す暇もなく、光線はカオティックに命中し、激しい閃光と共に爆発四散した。
____________________
「はぁ…怪獣級のでっかいヤツじゃなくてよかったぁ…」
変身を解除した僕は、客席のベッドに再び横になり、ゆっくりと伸びをした。
「助かったぁ~…」
「にしても、コズミックピーチってほんとにいたんだ…」
「シルエットしか見えなかったけど、かっこよかった~」
「ねえねえ、動画撮れた?」
「いやぁ…光が強くてうまく映ってない…」
皆が安堵の声に併せて、思い思いに僕の噂話をしている。
僕の「もう一つの顔」の存在も少しずつ知られてきたようだ。
とはいえ、まだその正体に気づいている人はいないだろうが…
「さて、変な横槍が入ったけど、寝るかぁ…」
そう呟いて、より蓄積した疲労に耐えきれず、僕は再び眠りについた。
____________________
さて、どうしてこんなことになったのか。
その話をするためには、今から1年前に遡らなければならない…
[後編につづく]


























































































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